私の家族を紹介するの。

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私の家族を紹介するの。

ピピッ、ピピピピピッ。 「んみゅぅ……」 なんだかうるさいの。 せっかくいいきもち、ねてたのに。 ピピピッ! 「ふみゅ!?──ふぇ。もー、あさ?」 って、誰も答えてくれないのだけれど。 代わりにまた目覚ましがけたたましく鳴っていた。 「はぅ。おきる、おきるの。わかったから」 ぴっ。ようやく役目を終えて静かになってくれた。 おかげさまで寝坊せずに済んでいるけど、やっぱり目覚ましがずっと鳴り響いてくるのはなんだか怒られているみたいなの。 よしっ。しゃんとするのっ。 皆さんおはようなのです。 私の名前はメリアスフィール。ちょっと長いのでみんなからはメリルって呼ばれているのです。 「お、は、よ、う。僕の可愛い天使ちゃんはお目覚めかな?」 「ケイお兄ちゃん、おはようなの」 「っ。さすが僕の妹。早朝から笑顔が眩しいよ」 アールズケイト、ケイお兄ちゃん。昨日も同じこと言ってたの。 忍び足でやって来て寝顔を覗こうっていう魂胆、バレバレなのですよ。私、もう子どもじゃないのでそんな真似はさせません。 「着替えまで済ませて、メリルはお利口さんだね」 「えへへ。ケイお兄ちゃんは実はお寝坊さん?」 「うぐっ」 パジャマのまま覗き見を優先しようだなんて全然紳士じゃないの!めっ! 「お着替え、手伝う?」 「本当に!?──はっ!いやいや大丈夫。ちゃんとしてくるから、メリルは先に行ってていいよ」 「ん。わかったの」 だいじょぶ。ちゃんとお兄ちゃんになったの。 しっかりしてねケイお兄ちゃん。いくら顔が良いからっていつもの調子じゃぁ、お嫁さんが来てくれなくなってもおかしくないからね?
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