<海智>

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あの人と初めて会ったのは進路のことで三者面談をした時だった。 あの頃、親父の秘書をしていたあの人が親父の代わりに学校に来たんだ。 それから、何かしらの行事にはあの人が来るようになって、特に俺も気にすることなく事務的に接していた。 ところが、親父があの人と再婚して一緒に住むようになって1週間ほど経った頃、その・・・一人で処理をしようとしていた所にあの人が部屋に入ってきて、焦ってごまかそうとしたがあの人がニコニコと微笑みながら、すでに硬くなっていたものを咥えたんだ。 あの頃、彼女はいたけど身体の関係なんか無くて初めて他の人にシテもらい、その気持ち良さを知った。 部活もやめて発散する場所がなくて、成績まで落ち始めた頃に知った快楽にのめり込んだ。 あの人はほぼ毎日、口で抜いてくれてそのうちそれだけでは物足りなくなって、誘われるがまま抱くようになったんだ。 俺にとってはあの人は他人だし、身体を重ねることにはなんの障害も無いように思った、そして高校生の俺は親父の嫁を寝とっているという背徳感に興奮した、さらにあの人は子供ができる心配はないからとゴムをつけなくてもいいと言っていたから、何処でもやれた。 親父が帰宅するまで、キッチンやリビング、玄関のドアの近く。 高校生の俺にとって、あの人はただヤレる人だった。 彼女を家に呼んだ時、あの人の歪む顔を見て興奮した。でもあの日を境に彼女は俺の元から去った。 あの人が何かしたのかもしれないが、あの頃はヤレない彼女はどうでも良かった。 大学に入って、好きな人が出来て付き合うことになったが、あの人に会わせたら高校の時のようになるかもしれないと隠れて付き合っていた。 彼女を初めて抱いた時、もうあの人を抱けないと思ってもうやめようと伝えたら、親父に今までのことを伝えると言われ、その時になって初めて自分がしてきたことを悔いたよ。 結局、彼女の存在はあの人にバレて何か圧力をかけたようで俺の元から去っていった。 その後も、あの人に隠れて付き合っても直ぐに彼女は去っていった。 そして、全てを諦めようと思った事件が起きた。 会社に入って2年になった頃、後輩の子と付き合うようになった。家庭的で、笑顔が可愛くて一緒にいると癒された。 彼女の部屋に泊まることも多くなっていたある日、荒れた部屋の片隅で彼女は蹲っていた。 俺が近づくと悲鳴をあげて泣き出した。 その姿は顔は殴られて腫れ上がり、着衣もボロボロだった。 しばらくすると、彼女は二人の男に強姦されたこと、動画を撮られたことを話し始めた。 俺はそれでも彼女が好きだったから、何があっても一緒にいようと伝えたのに、彼女は会社もやめて、町からもいなくなってしまった。 喪失感で身体を動かすのもやっとだった俺に、あの人が「浮気はほどほどにね、本気になったら“彼女“は不幸になるかも」と言ったんだ。 それから俺は誰かを愛することを諦めたんだ。
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