碧と星無

3/3
前へ
/29ページ
次へ
それで、碧はこう切り出した。 「お前は、何が出来る?」 星無は、掌に握っていたキノコを見つめていた。 「魔女は、魔法使いとは根本的に異なるの。魔女は大釜を守り、大釜を使う。私は、終焉の魔女。美しいアイスブルーの空が、灰色に変わって行くように、摘まみ上げられたこの菌類も、いずれ終焉を迎える。私はスターレス。終焉の漆黒に彩られた女」 キノコは、塵になって空を漂った。 「なるほど。スターレスか。宇宙の終焉すら迎えられるなら恐ろしいな。それで?星無、魔女ってのは、そんなポンポン存在するのか?」 「世界には、大魔女(ギガンテスト)と呼ばれる、7人の魔女がいるの。基本的に彼女達は敵対することもない。海底火山工房のマーキュリー・バイオレットとは仲良しよ?基本的に不干渉なんだけど。でも驚いたわ。降魔君が、魔法使いになれると言った私は間違っていなかった。だって、降魔君のお母さんは」 「パパの?ってことは。ああそうか。私の感覚が囁いた危機はこれか」 碧は、強く納得していた。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加