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そして、勘解由小路真琴が、友人の島原志保と小鳥遊山椒との買い物から帰ると、勘解由小路の姿がなかった。
またお義母様が?まさか。
寝室の扉を開けると、勘解由小路がムッツリしてソファーに座っていた。
「お帰り。マコマコおいで」
いつもの仕草でソファーの隣を示した。
ただいまのキスの後、真琴は聞いた。
「降魔さん降魔さん。緑くんは?」
「さっきまでベッドの上でコロコロして遊んでいた。多分、白鳥さん達と遊んでるんだろう。緑の力は頼りになるからな。平和的に解決させる為にああしたが、最悪お袋を滅殺するなら緑に頼むしかない。それよりな、こんなのが届いた。イギリスから」
取り上げたのは、封筒と多分DVDだった。
「お義母様からのビデオレターでしょうか?」
「子供達がいない内に確認しよう」
手渡されたディスクを、真琴はデッキに差した。
再生されたのは、何か見覚えのある色合いの画像だった。
「昔、押収した違法なDVDみたいですね」
「うん。大体読めたぞ。ほら始まった」
「インサイド・オブ・カーマスートラ。エロ教典の内側
。ですか?ああこれは?」
「多分あれだ。海外である大人用の性教育ビデオだ。内部の画像だ。あの時の」
その時、マイクが声を拾っていた。
「あん♡あん♡あああ♡見てるうう?!降魔ちゃんが生まれた場所に焔魔ちゃんの濃い」
ぶつっと画像が停止し、イジェクトされたディスクを、勘解由小路は無言で指差した。
「シュレッダーだ」
はい。真琴はディスクを拾い、シュレッダーでガリガリに消去した。
長い沈黙の末、勘解由小路はぼそりと呟いた。
「初めて見たその手の映像コンテンツだが、ありゃあ俺の両親の合体ビデオだった。な?息子にそう言う性教育かますお袋なんだぞ?親父も見た通りだ。子供に会わせる訳ないだろうが。画質がチラチラしてたのは」
「サブリミナルな画像で、お義母様が背面座位でダブルピースしていましたが」
「そんな気はしてたよ。通常の人間じゃ絶対見えない速度で画像を挿し込んでたか」
エロ写メ送ってくる真琴の先。
ハメドリ送ってくる両親がいた。
「恐ろしいお義母様ですね。魔女は、通常の物差しが通用しないようです」
「俺がその手の映像コンテンツを見なくなった理由がそれだ。真似しないでね。マコマコお願い」
「一緒に撮ろうと、降魔さんが仰らなければ。降魔さんのオス蛇ちゃんが、どういう風にアリスちゃんの中を這いずるのかを、客観的に見てみたい欲求があります」
「ホントにやめてお願い。頼むからもう帰ってくんな」
勘解由小路降魔は、苦渋に満ちた表情でそう言った。
勘解由小路降魔ですら子供扱いする存在がいたと言う話。
ただそれだけの話だった。
了
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