ずっと君だけを追いかけていた

4/5
295人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
俺の恋心を隠したまま月日は流れ、なぎさは就職し俺は地元を離れ京都の大学に進学した。その頃にはもう会うこともなかったし、いい加減現実を見なければいけないと自分を戒めるようになっていた。ただなぎさの連絡先は知っていたし(携帯を持った俺になぎさから連絡先を交換しようと言ってきた)、SNSのアカウントも知っていた(開設したからフォローしてと言われた)。だからちょくちょくSNSはチェックしていたんだ。 ある日ピロンと新着情報が携帯に届いて、開けてみるとなぎさのSNSの投稿で【京都一人旅満喫中☆】というテンション高めなコメントと共に鴨川の写真が投稿されていた。 なぎさが京都に来ている? マジで? 蓋をして押し込めていた感情が押し寄せてきて、俺は無意識……だったと思う。なぎさにメッセージを送っていた。 「京都案内しようか?今どこ?」 返事はすぐ届く。 「ほんと?嬉しい!三条大橋にいる」 会ってどうするというのだ。なぎさにはまた新しい彼氏がいるかもしれない。俺のことは相変わらず弟としか見ていないはず。 それでもなぎさに会いたかった。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!