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自由なミケ
何事もなかったかの様に、トコトコと私の膝から降りると、ミケは毛繕いを始めた。
「ーーにゃー」
お腹が空いたのだろうか?
私を見る目が、何かを訴えている。
器にエサと、水を分けて用意するとミケはたちまち、エサを食べ始めた。
その後に水をペロペロと舐めるように飲み、満足した顔でミケは眠りにつく。
それも私の布団の上でーー。
ミケったら。
眠っているミケの頭を撫でる。
今度はあの温かい気持ちにはならなかった。
ミケと出会って私は二度も奇跡を目の当たりにした。
とても不思議な気分。
もう二度と会えなかったはずのツカサに会い、もう二度と会えなかったはずの宏美にもミケは会わせてくれた。
ーーこの子は奇跡を呼ぶネコだと思う。
この先もずっと大切にしていかなければ行けない。。
ミケが寿命を終えるその時までーーそれが私の責任である。
ミケの寝顔を見ながら、そんな事を考えていると、ミケが起きたようで、一生懸命体を伸ばしている。
「ーーにゃー」
私の元に歩いてくるミケ。
今度はどんな奇跡が起きるのだろうか??
楽しみすぎて、ワクワクする。
ミケは私の手に手を載せる。
だんだん慣れてきた様で、私はその眩しい光の中を私は目を開け、ジッと見つめていた。
ーー今度は誰に会えるのだろうか?
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