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お祖母ちゃん
光の向こうから、現れる人影。
ボンヤリとしていたが、少し待っているとその輪郭があらわになっていく。
「ーーあっ、、」
思わず私は声を上げる。
「久しぶりだねぇ」
そこにいたのは、私が大好きだったおばあちゃんだ。
おばあちゃんは、生きていた頃のまま、ニッコリと笑っている。
「ーーおばあちゃん」
感極まって私は涙を流した。
もしかしたら、涙腺が弱くなっているだけなのだろうか?
勢いよくおばあちゃんに飛び付いた。
あの時聞いた宏美からの説明だと、私の記憶とおばあちゃんの想いが重なっただけのはずなのに、触れる事も出来るようだ。
手の温もりなどはないけど。。
「おやおや、そんなに泣いてたらダメじゃないか。目が腫れちゃうよ?もう泣かないで」
久しぶりの声。随分と会ってなかったから忘れてしまっていたけど、おばあちゃんの顔ってこんなにも、シワだらけだったっけ?
生きていた頃と同じ様に、おばあちゃんは相変わらず笑顔のまま。
もう何年ぶりかのおばあちゃんの顔。声。
すべてが愛おしい。
まさかまた会えるなんてーー。
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