ミケ救出

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ミケ救出

だから、助けなければーー。 お祖母ちゃんが残してくれた未来への希望であるミケを。 一体どうしてこんな事になったんだ? なぜこの場所はこんなに荒れ果てているんだ? そしてミケはどうしてあんな場所で泣いているんだ? 疑問符しか浮かんでこない。 少なくても、私はこの場所を知らない。見た事もないはずだ。 わずか数百メートル先は、私のよく知る令和の時代であるのに対し、ここだけは時代劇にでも出てきそうな雰囲気だ。今ではあまり見かけないような昔ながらの建物がいくつかある。それはもはや違和感しかなかった。 ーーにゃーにゃー 掠れた声で、ミケが泣いている。 ミケの身体中に刻まれているかのような模様が、この場所にいると、泥まみれになって汚れている様にも見えてしまう。 「ーーミケ、こっちにおいで!」 にゃー。 身体を延ばせるだけ延ばして、ミケはトコトコと私の元に歩いてくる。 ミケが私の膝の上に乗ると、そのまま抱き抱えてミケの頭を撫でながら言った。 「ーーおいで!ミケ、お家に帰ろう!」 どうやら、昭和の街並みになっている瓦礫の場所と、これまで長く暮らしてきた我が家は、目と鼻の先の様だった。 あの場所だけが違和感を感じさせるから、家を探さないといけないかと思ったが、そんな事もなく、瓦礫の山を降りるのに時間はかかったが、そこからは5分くらい歩くだけだ。 我が家の玄関からは、あの瓦礫の山が見える。 それほど近い距離だった。
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