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一戦終えて寝台の上、仰向けで横たわるロシュフォールの身体に、レティシアはうつ伏せでのりあげる形になっている。
「しなくても構いませんよ。とりあえずこちらに姫君を迎えるだけですから」
どういう意味だ?とロシュフォールが目を丸くすれば、その胸板に頬を当てていたレティシアは、顔をあげて告げた。
「マルタ・カルロス・オルテガ王女のお歳は十歳です。婚約という形はとりますが、床入りまでの時間は稼げるでしょう?」
たしかに十歳の少女に手を出す趣味はロシュフォールにはない……というより。
「俺はお前以外嫌だ」
「困りましたね」とレティシアはちっとも困っていない表情で微笑んだ。
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