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カラフルなネイルカラーみたいな
五年後、私と湊は二十歳になった。
湊が入籍した日は湊の誕生日だった。
待ちきれなかったんだろうな、って顔でその報告を湊は私が特別好きな輸入菓子のたくさん入った袋を抱えてではなく、いかにも高級そうな和菓子の菓子折りを携えて家に挨拶に来た。私の部屋には入らず、リビングでお母さんも一緒に話して、湊は帰って行った。
それから程なくして、結婚の記念にアルバム写真を撮るので、ネイルアートをしてくれないかと、湊から勤務するネイルサロンに私の名前を指名した予約が入った。
カップルネイルをするのは珍しい事だったので、店長や同僚にどういう関係かと聞かれ、友達夫婦なのだと答えた。より二人の結婚指輪が映えるようにデザインに頭を悩ませた。
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