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「湊、ごめん」
学校の帰り道、校門を出て帰って行く湊に追いついた私がそう言った時、湊は何のことだ、というような視線を無言で向けて来た。
「根岸にネイル、バカにされてたの見た」
ああ、と湊は言って、これか、と指先を見せて来た。指先には練習させてとこの前私が塗った黒一色のネイルが光っている。
「ってか、落としていいって言ったのに。
除光液渡したでしょ?」
「咲那さんネイル好きなんだって。見せたい」
湊の口元が緩むから、目をそらしたくなる。
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