回想

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回想

扉を閉じ、ナギの部屋を後にした。 「ふ~!疲れた。ナギのやつ、いつまでも(怒)まあ、あいつも成長したんだな。幽霊族の活動は夜本番だしな。」 一緒に暮らしているのだから、こちらの時間に合わせてもらいたいなどと思いながら、昔のことを思い出していた。 ゆずる当時2900歳 ここは、世界の果てにある山ジョアの頂上。 そこに家を建てていた。 いつものように庭で鍛錬していると、周りが急に静まり返った。 誰かが森に入り込んだようだ。 森に結界を張っているので、誰かが通ると生身センサー(髪が逆立つ)が 反応する。 周りを見渡す。鳥や獣、虫さえも感じられない。 「またか?」 そちらの方へ向かうと、 禍々しいオーラを放つ人間の女性が居た。 禿落ち寸前だ。 口から半透明なエクトプラズムを吐き出した。 俺はあわてて、着ている服を脱ぎ、服に呪文を唱え、やさしくそれを包み込んだ。 うっすら、顔のようなものが見える。 「うきゃあ!」 笑ったような気がした。 ほっと息を吐く。 幽霊族の子は、生まれる時、幸せの布に包まないと気化する。 初めて、救出に成功したようだ。 改めて、人間を見る。 もう完全に禿げ落ちしたようだ。 そいつはそこにボーっとたっている。 一度家にもどり、子供をベッドに寝かせてから倉庫から、幸せのつぼを持ち、森へいき、そいつをつぼの中へ吸い込んだ。 つぼを一回なでるといい。 ここには、楽園があり、天国へいけると信じられている。 楽園追放者が後をたたない。 「楽園へ行かないと・・・」 「1234567*」 楽園へ行くための呪文を唱える。 ゴゴゴゴゴッ!! 地面から10mありそうな扉がでてきた。 「8910」 合言葉を言う。 「いらっしゃいませ~」 入店音とともに扉が開く。 製作者の粋な計らいらしい。 入り口付近につぼを置き、つぼを2回こする。 すると中に入ってるものが飛び出る。 そいつをおいたら、すぐさまつぼを回収し、扉を閉める。 「ありがとうございました~」 と退室音が鳴る。 そのまま扉は地面へと潜っていく。 それを見届けながら合掌する。 最低の礼儀として・・・・ そして、家へ向かった。
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