1人が本棚に入れています
本棚に追加
回想
扉を閉じ、ナギの部屋を後にした。
「ふ~!疲れた。ナギのやつ、いつまでも(怒)まあ、あいつも成長したんだな。幽霊族の活動は夜本番だしな。」
一緒に暮らしているのだから、こちらの時間に合わせてもらいたいなどと思いながら、昔のことを思い出していた。
ゆずる当時2900歳
ここは、世界の果てにある山ジョアの頂上。
そこに家を建てていた。
いつものように庭で鍛錬していると、周りが急に静まり返った。
誰かが森に入り込んだようだ。
森に結界を張っているので、誰かが通ると生身センサー(髪が逆立つ)が
反応する。
周りを見渡す。鳥や獣、虫さえも感じられない。
「またか?」
そちらの方へ向かうと、
禍々しいオーラを放つ人間の女性が居た。
禿落ち寸前だ。
口から半透明なエクトプラズムを吐き出した。
俺はあわてて、着ている服を脱ぎ、服に呪文を唱え、やさしくそれを包み込んだ。
うっすら、顔のようなものが見える。
「うきゃあ!」
笑ったような気がした。
ほっと息を吐く。
幽霊族の子は、生まれる時、幸せの布に包まないと気化する。
初めて、救出に成功したようだ。
改めて、人間を見る。
もう完全に禿げ落ちしたようだ。
そいつはそこにボーっとたっている。
一度家にもどり、子供をベッドに寝かせてから倉庫から、幸せのつぼを持ち、森へいき、そいつをつぼの中へ吸い込んだ。
つぼを一回なでるといい。
ここには、楽園があり、天国へいけると信じられている。
楽園追放者が後をたたない。
「楽園へ行かないと・・・」
「1234567*」
楽園へ行くための呪文を唱える。
ゴゴゴゴゴッ!!
地面から10mありそうな扉がでてきた。
「8910」
合言葉を言う。
「いらっしゃいませ~」
入店音とともに扉が開く。
製作者の粋な計らいらしい。
入り口付近につぼを置き、つぼを2回こする。
すると中に入ってるものが飛び出る。
そいつをおいたら、すぐさまつぼを回収し、扉を閉める。
「ありがとうございました~」
と退室音が鳴る。
そのまま扉は地面へと潜っていく。
それを見届けながら合掌する。
最低の礼儀として・・・・
そして、家へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!