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探検
疲れなんてアドレナリン出まくりの状況で吹っ飛び、部屋で大はしゃぎ、気分が落ち着いた頃には夕飯時になっていた
既にシャンパンでほろ酔いだ
レストランもハリケーンの影響で全て開いている状況では無かったが、本日はシーフードレストランに決めた
「こんな事ってあるんだね」さおりが笑う
「アップグレードしすぎだよ」私も爆笑する
料理に白ワインを合わせて改めて乾杯
南国シーフード料理もワインもとても美味しく幸せなひと時を過ごす
デザートまで十分満喫したところで高級ホテルによく似合う中東系精悍な顔つきの爽やかなウエイターが会計を持ってきた
会計は部屋付にするので、部屋番号記入とサインを求められる
部屋番号を記入した瞬間
「大変申し訳ございませんが、本当にこちらのお部屋か確認させて頂くことは出来ますか?」
念を押される
ああ、、、あの部屋だもんね、、、
ルームキーを見せる
「ありがとうございます」
ウエイターにまたチップが少ないと残念がられるだろうから先手で説明する事にした
「私達、ハリケーンの影響を受けたホテル側の配慮で部屋のアップグレードサービスを受けているの」
「そうなのですね、それはラッキーですね。あのお部屋に滞在出来るのは素晴らしい事です。あのお部屋に滞在されるのは各国の王族、世界的なスター、有数のビリオネアなどですから」
「日本人は誰か泊まった事がある?」さおりが訪ねる
「そうですね、随分前に日本の皇太子様がご宿泊されました」
わぁぁ、、、
酔っているせいもあり会話が弾む
「私達あの部屋に泊まってる風には見えないよね?」
自虐的に私がつっこむ
ウエイターは
「お部屋を記入された時に確認せずにはいられませんでした、大変失礼致しました。こちらのお部屋に滞在される方がレストランにお越しになられる際には、お付きの方から必ず連絡が入るものですから」
と爽やかに笑顔で言った
「他のスタッフにもびっくりされない様に、ホテルの配慮でアップグレードだって言っておいてもらえる?チップを期待させても悪いから」
部屋に見合って無いって分かってしまうのがとても残念だけど、一般女子がこんなラッキーも珍しいんだから、とにかく楽しく過ごすわ!
「承知致しました。モハメドと申します、今後何かお困りな事がございましたらお申し付け下さい」
とスマートに見送りを受けた
そのままバーに寄ろうと思ったけど、散歩がてらホテル内の探索をする
まだ館内の半分くらいしか営業出来て無い様だけど、とにかく広い
明日は移動の疲れを癒すべく、マッサージ受けようとスパに下見に行く事にした
スパには様々なメニューが取り揃えられ、ヘアケア、ネイル、全身トリートメントと何でも取り揃えられていて、明日は専用ジャグジー付きヴィラで3時間アロママッサージコースを予約した
恒例の部屋番号びっくりがあり、レストランと同じ説明をする
これから7日間滞在するのだから、スタッフの皆様も慣れてくれると思うけど、、、
スパエントランスでは私達以外にブラジル系のモデル風美女がコスメ店内を散策していた
あまりの美しさに目を奪われる
人種の違いだけでは説明出来ない佇まいとオーラ
8から9頭身のスタイルの良さ、ハリウッド映画女優の様な顔立ち、褐色肌にミディアムロングのブロンド天然パーマ髪が似合っている
店員とやり取りした後、困っていた様子だったが仕方ないと言う雰囲気で去って行った
気になる、、、
酔っ払いの勢いもありうっかり店員に
「彼女どうしたの?」と聞いてしまった
「先程のお客様は天然パーマに合うシャンプーをお探しでした。こちらのサロンでご提案できる商品がハリケーンの影響で入荷待ちになってしまっており、今回別のものをお勧めしたのですが、残念ながら見合わせられたのです」
そうか、、、
「いつ入荷か分からないの?」
全く関係無いのに出過ぎた質問だ
「数日内には入ると思うのですが、何とも言えないのです」
そりゃそうだ、、、
美女に魅入られてプレゼントする訳でも無いのに何質問してるんだろう、、、部屋がすごいだけで金持ちって訳じゃ無いのに、既に気が大きくなってるのかな
明日のマッサージ予約もしたし、サロンを後にする
「ビーチ通って帰ろうよ」私が誘う
「良いね!バーもそっちにあるみたいだし行こう」
かなりのハイテンションでビーチサイドに向かう
ホテルのプールサイドを抜けてビーチに向かう
通りかげのプールも、ライトアップされて南国ムード満点だ
本当に客が少ない
日本人はもちろん私達だけ
それでも、もう少し賑わって良いのではないかと思う
ビーチサイドバーもカップルが1組居るだけだ
カウンターに案内され、南国らしいカクテルを頼む
「ハネムーン?」
派手なメイクと短いドレッドヘアの筋肉質なアフリカ系バーテンダーに聞かれる
「え?」私とさおりが同時に驚く
「仲良さそうな2人だからハネムーンかと思ったんだ、ここはハネムーンに来る人が多いからね。でも今の返事でそうじゃ無いって分かったよ。今回はどちらから?」
「日本から」さおりが答える
「東京、京都に行った事があるよ、とても良い旅だった」バーテンダーが綺麗な白い歯を見せて笑う
「あなたの出身は?」私が聞く
「出身は南アフリカ共和国だよ、仕事をしながら旅をしているんだ。今回素晴らしいホテルでバーテンダーとして雇ってもらう事が出来たんだけど、着いてすぐハリケーンが来てね。地元スタッフは自宅待機だったんだけど自分はホテルのメンテナンスも請け負う事でホテルに残らせてもらって、こうして仕事も死守できたんだ。ハリケーンは超大型で本当に大変だったよ。貴方達もちょっとタイミングがズレてたらここに来れてないだろうね!」
おしゃべりが好きらしい
「来れただけでもラッキーって事ね」
私達は笑い合った
カクテルと会話を楽しんで、部屋に戻る事にする
部屋とか説明も面倒だからカード会計にする
「クリスだよ、また寄ってね」
きっとまたクリスに会いに行くだろうな思いつつ、見送りを受ける
ビーチサイドをゆっくり歩きながら部屋に戻ろうと思ったのに、あっさり迷子になる
まぁ、正直、想定内、、、
ビーチにはガストーチもあるし、ホテルの敷地内である事は間違いないのだが、とりあえず今来た道を引き返す事にした
「さっきのシーフードレストランじゃない?」
さおりが気付く
林奥にシーフードレストランの灯が見える
そこに行けば部屋に戻り易いかも、とレストランを目指す事にした
レストランを通り過ぎ様とした際
「先程のレディー、何かお困りですか?」
モハメドが声をかけてくれた
「実は部屋に戻りたいのだけど、迷子になっちゃって」
私が遠慮なく言ってみる
「それはお困りですね、お送り致します」
早速モハメドが先頭に立って歩き始める
セキュリティーゲートまで案内してくれた
「こちらから先は私は入れません、お気をつけてお戻り下さい」
さっきも思ったけど、目鼻立ちがくっきりして小顔で睫毛も長くて、、、純日本人にはあり得ない堀の深さ
繁々と見つめてしまう
そうだチップ、、、
と渡そうとすると
「素敵なレディーと同じ日に再開出来て私はラッキーですね、ましてやチップを頂くなどとんでもない事です。本日は長旅でお疲れでしょうから、ゆっくりお休み下さい。良い夢を」
と爽やかに去ってしまった
ホテルマンだから?!
さすが!
モハメドのおかげで無事部屋に着き、
どれだけ広いんだと言うマスターベットルームに
「こんなサイズのベット世の中にあるんだ」
と声に出しちゃうくらいの
ベットに潜り込んで深い眠りについた
世の中知らない事だらけだ、、、
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