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裏切り
それから半年がたち、ローズウッド様との関係は日に日に深まっていった。
始めは恥ずかしかったり、上手く対応できなかったりとしたことがあったが、今ではそのようなこともなく上手くいっている。
ただ、マリアはずっと気にかけてきたことがあった。ローズウッド様には弟君がいて、どちらかが子のいない皇帝の養子に入ってあとを次ぐ事になっている。かなり前から、弟君のリウス様が養子になるべきだという声が上っていたが、弟君自身が兄のほうが適任だと言っていたため深く考えていなかった。
だが弟君が青年(人間からすると40歳)になり、養子になるという意思を口にしたため今まで沈静化していたリウス様派の貴族達がこぞって追い打ちをかけたため、ローズウッド様派とリウス様派との間に確実に亀裂が入ったのだ。
「ローズウッド様、リウス様はなぜ今頃養子になると発言したのかしら?」
「なぜかは分からない。だが、リウスが本当に養子になりたいなら私は身を引こうと思っている」
ローズウッド様はいつもそうおっしゃる。私からしたらリウス様よりも、ローズウッド様の方が適任だと思う。
私が口添えすればローズウッド様が有利になることは目に見える。私は伯爵令嬢でありローズウッド様の婚約者。伯爵家で最も権力があり、侯爵家も迂闊に手を出せない。それに加え、リウス様派はそれほど権力のないロンガム公爵に伯爵の端くれ達だけ。普通はローズウッド様と争うことすらかなわないが、お優しいローズウッド様のお陰でなんとか潰されずにすんでいるだけ。
でも‥‥‥
「そんなことすれば、ローズウッド様は悲しむは」
自室で大きなため息をついたとき、ログサム公爵のご令嬢〈レライエ〉が来られたと執事が言った。
あら、何かしら?お約束はなかったはずだけど。
「お入れして」
そう一言告げた。
直ぐにレライエ様がいらっしゃり、淑女の礼をする。
人払いをしてソファーに腰掛け、何用かを尋ねる。
「今日はお願いが会って来たの。_____してほしいの」
「‥‥‥っ!」
「マリア様、大丈夫よ。絶対にバレないように一年も試行錯誤を重ねてきたのだから」
レライエ様の突然のお願いに、私は息を吸うことを一瞬忘れてしまった。
こんなにも恐れたのは、初めてかもしれない。
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レライエ様が帰り、一人ベットに転がりうずくまっていた。
ずっとレライエ様の言葉が頭から離れなかった。
『今日はお願いが会ってきたの。リウス様を毒殺してほしいの』
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