ツンデレ猫

1/1
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
 雨上がりの駐車場。私のいる車の下のアスファルトはまだ半分しか乾いていないわね。  でも蒸し暑いけど、寒がりな私にとっては雨が降ってるよりもずっとマシかも。 「あー、でもお腹空いたなー……」 と独り言を言ってもお腹は膨れないか……。  あ!隣の車に誰か来た。チャンスかも。 「ねぇ、私を拾って助けなさい。お腹も空いてるのよ、なんとかしなさいよ」  私の声は聞こえてるはずなのに、聞こえない振りしてんのね……。 「今は汚れてるけど、洗えばキレイになるのよ?特別に飼われてあげるわ。体もキレイに洗わせてあげるわよ。だから早く拾って行きなさい!」  この私が許してあげるって言ってるのに、その態度はなによ!カン違いしないでよね!あなたに媚びを売ってるんじゃないんだからね?  あ~ぁ、どこかに行っちゃった……。ツンデレ猫も苦労しちゃうわ……。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!