名前の知らない友達を探して

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 わたしは寝返りすると、ふと棚にしまってあるアルバムを見つけた。辞書のように分厚く、絵本のように大きい。今ではスマートフォンで写真を見ることが多くて、こんなに触れる形で見るのは古いと言うか、懐かしさがあった。わたしは手を伸ばし、一冊抜き取った。表紙を見ると、幼いわたしの顔。なぜか口元が緩んだ。わたしは丁寧に一ページずつ開き、写真一枚一枚に視線を落とした。
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