女子トーク

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女子トーク

学祭1日目が終わって ふみがうちに泊まりに来る 麻莉は彼とお泊りらしい うちのソファーでソフトドリンクを飲んだりしながら女子トーク 「ふみ 蓮見さんとうまくいきそう?」 「うーん 年上の人って初めてだから なんかリードしてもらってばっかりで…」今まで同級生としか付き合ったことのないふみ 確かに姉御肌で彼氏に甘えるっていうよりは "甘えられる"って感じだったからなぁ  しっかり者のふみは私みたいに『好き→告白』って感じじゃなかったし、告白されてもじっくり考える 慎重派だからなぁ 「蓮見さんといるとさ みうの気持ち少しわかるかも」 「え?」 「なんか 周り見えなくなちゃうっていうかさ この人に愛されたい 尽くしたいって思っちゃうんだよね」 ふみにしては意外な言葉 「あぁこれが好きって気持ちなんだなぁって」 ふみが私を見る 今まで見たことないくらい満たされた顔をしてる ふみだって女の子だから やっぱり彼氏には甘えたいって思うよね 「元カレのことも好きだったけど なんか私客観的っていうか 頭で恋してたのかなって」わかる?と私に聞いてくる 「蓮見さんに溺れてしまうんじゃないかって怖くなる」 「ふみ…」 私は思わずふみを抱きしめる 「ふみが溺れてつらかったら 私絶対助けて見せる!」 そういうとふみは笑って 「あんた犬かきみたいな泳ぎ方しかできないじゃない」 と言った あ!そうだった 私水泳苦手だった 「でもありがと」あたふたしてる私にふみは微笑んでくれた 「で?」 とウーロン茶を入れたコップを飲み干してふみがこっちを見た 「みうは どうして?」 そうだ ふみたちに 柊さんと手をつないで学祭まわってるのを発見されて 『展開早っ!』って突っ込まれてたんだ 柊さんが『告白したんだ』なんて余計なこと言うから  あとでたっぷり聞かせてね とふみと麻莉に言われてたんだよね 「ハシマさん 手ぇ早くない?」いや 柊さんの手が早いといか 私がちょろいというか… 「まぁ あんな人に 『彼女になって』なんていわれたら 悪い気はしないよね」 「告白されたのなんて初めてだし」 「そうなんだ まぁ そういえばそんな感じするわ」 「私自分から好きになった時しか動かなかったから どうしたらいいかわからなくて こんなに好きって言われたの初めてだったし」 「そうだね」 「確かにイケメンだし優しいし気もきくけど まだ何も知らないし あったばっかだし」 「まぁ確かに でもみうだってちょっと知ってるってだけの先輩とかにこくってたじゃん?」うぅ それを言われるとつらい… 「私は逆にふみの気持ちが少しわかったよ なんか慎重になってじっくり考えちゃう でもわたし感覚で恋愛してきたからそういうの苦手かも」 「つらい?」 「つらくはない けど こんな簡単に好きになっちゃっていいのかなって…」 「そっか」 「でもなんか 柊さんといると沈黙も苦にならないし反対を向いてても安心できるし 気を遣わなくっても素敵な時間が流れるの」 「それはさぁ」ふみが私の頭を優しくなでる 「愛されてるってこと じゃないかな?」 あいされてる? 「それでみうは それを受け入れてるってことだと思うよ」 「好きってこと?」 「うーん まぁ そうかな 付き合うってさ みうが思ってるみたいに激しく気持ち揺さぶられるってことだけじゃないじゃないかな?」 「なんかピンとこないなぁ」 「でも好きか嫌いかで言ったら『好き』でしょ?」 うん とうなずきながら 頭のなかで“確かに”と思う 「その気持ちで今はいいんじゃないかな?」 そしてふみは身を乗り出して 「それに みうは気づいてないけど ハシマさん ずっとみうことを凄くいい表情(かお)で見てたよ こっちが恥ずかしくなるくらい」 ふみは 思い出したようにして くすっと笑った 「まぁ でもさ 私もみうがハシマさんに溺れそうになったら 全力で泳いで助けに行くから」安心して と言って胸をたたくふみは とても頼もしく見えた 友達っていいなぁ
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