運命じゃない?

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運命じゃない?

文化祭は二日目も大盛況のうちに終わった 後夜祭も無事に終わり あっという間に解散になった 麻莉は彼氏を駅まで送った後友達とご飯に行くっていっていた 「楽しかったね 終わるのもったいない」 「うん ふみはこの後どうするの?」 「私は サークルの打ち上げ みうは?」 「私もサークルの打ち上げある」 「じゃ また明日だね」 「うん またね」 ふみと別れてサークルのみんなと合流する  バスで停車場一個行ったところにある レストランに予約してあるって先輩に言われたので みんなで移動する  「二時間飲み放題だって」 「いいねぇ そういえばお腹空いたかも」 そんなことを話ながらレストランを目指す 大人数でも席確保できるレストランの二階席を貸しきっているみたい なんか雰囲気いいなぁ  「お疲れ様でしたぁ!」先輩の一言で飲み会が始まる 手ごろなお値段って聞いてたけど お料理もおいしいしお店の雰囲気もいい 途中でお手洗い行こうと1階に下りた お手洗いで少し髪型を直して 二階に戻ろうとしたとき 「ミウちゃん?」と声をかけられる 聞き覚えのある声に振り返ると… そこには柊さんがいた え?でもなぜレストランの制服? 「柊さん?」 「やっぱり ミウちゃんだ」 私が上から下まで柊さんを眺めて目をぱちくりさせていると 「ごめんごめん 俺 メインはレストラン(ここ)なんだ」 まだうまく状況が飲み込めていない私に 「蓮見さんのとこはお手伝いで このレストランの正社員ってこと」 と分かりやすく説明してくれる あぁなるほど ていうか ここの制服も似合ってるなぁ と見惚れてしまう 「そんなに見ないでよ 恥ずかしい」 「ごめんなさい!」 思わず 見惚れていたことに恥ずかしくなる 「いいよ ミウちゃんが俺に見惚れてくれてるならめちゃくちゃうれしい」 わざわざ近づいてささやいてくる  ゾクッとしてしまう 「ごめんねミウちゃん 今仕事中だから 食事ゆっくり楽しんでね」 柊さんはあっという間に 厨房へと消えていった その姿を目でおってまだドキドキしている みんなでお会計をまとめて そろそろお店出るって言うときに #もう帰る? #外のベンチでちょっと待ってて と柊さんからLINEがきた それだけでドキドキする 悪いことしてるわけじゃないのに 周りの友達に見られてないか 確認しちゃってる 「お疲れ様」 「またね」 みんながそれぞれ帰っていく まだ学祭の余韻が残っているから何となくさみしく感じる 柊さんに誘われている私は お店の外にベンチを見つけてそこに腰掛ける 低めのベンチに座って少し街の様子を眺める まだまだ人通りも多い 柊さんの制服姿を思い出して 勝手に赤くなってしまう 「こんばんわっ」 「お姉さん1人」 「待ち合わせ?」ふと矢継ぎ早に2人の男の人に話しかけられる いかにもチャラそうな2人に おもわずたじろぐ 「ひかないでよ おれたち 隣駅の大学の学生なんだ」隣駅の大学? そう聞いて 元カレのことを思い出す 余計体がこわばる 「怖がんないで」 「そうそう 1人なら俺たちと飲みいかない?おごらせてよ」 2人に囲われて 立ち上がることもできない なんか不愉快な香水の匂いに吐き気がする 「あの ごめんなさい いま 人を待ってるので」やっとのことで絞り出す 「そっかぁ 女の子?」 「女の子なら 4人で飲みいこ?」 まだまだしつこい  「い いえ 彼氏 待ってるので」 これ彼氏って言っていいんだよね?柊さんの顔が脳の隅にちらつく 「え? 彼氏?」 「ほんとに?」 しつこいなぁ 「いいじゃん そんなのほっといて 俺らと飲みいこうよ」 もう ホントにひつこい ちょっとアルコールのにおいもする なんか怖い こんな街中で 人通りもあるし ちょっと立ち上がれば逃げられそうなのに 怖い 「みう」そこに安心できる声がふってくる 柊さんだ 見上げると 男の人の肩越しに柊さんが見えた でもとても鋭い視線で男の人たちを見据えてて いつもの柊さんじゃないみたい 「俺の彼女になにしてんの?」 声もぜんぜん優しくない  「チッ!」 「マジで彼氏だったのかよ!」 男の人たちは小さくしたうちをして去っていった
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