溺愛彼氏の甘い恋をどうぞ

愛されるって何ですか？

　真田　海羽(さなだ　みう)
たった今　彼氏の聞いてはいけない話を聞いてしまいました

「安田の彼女　今年短大生になったんだろ？」
「あぁ　すぐそこのな」
そう　私は彼の大学の近くの短大にこの春入学
今日は電車で一駅の大学に通う彼を駅で待っていた
彼が友達何人かで来たのが見えて　驚かそうと思って自販機に隠れた
そしたらなんと　私の話をしている！
自販機の前に止まって話し始めた会話が気になり
思わず身をひそめて聞き耳を立てた
でもこれって完全にフラグだよね
人の話を立ち聞きしていいことなんてあるはずない
「いいなぁ新入生」
「しかもあそこ女子短大だろ？　合コンしてぇなぁ」
「そういえば　安田の彼女かなりいいカラダしてたよな」
なっ！なんて下世話な！思わず胸の前で腕を組む
「まあな」
安田先輩！(/ω＼)彼に言われるのはなんか嬉しい
「でも　なかなかやらしてくんなくてさぁ」
え！？
「まぁjkだし　制服女子ってなんかいいなぁって」
なんだか雲行きが怪しい
「制服脱がしてみてぇー」
「な？でもなんか出し惜しみされてるっていうかさぁ
やっぱせっかくの巨乳だしのがしたくないじゃん？」
安田先輩…？
「なんかさ俺に忠実だし　やる以外の言うことは何でも言うこと聞いてたから
付き合ってたけどさぁ」
なんか悲しくなってきた
「短大はいってからお泊りもしてんのに全然やらしてくんないしさぁ」
『みうのこと大事にしたい』て言ってくれたじゃん　あの言葉って…
「まぁ　一回くらい合コンセッティングしてもらったらもうおしまいかな」
ガーン！！
少女漫画なら私の頭上にはそんな字が添えられているだろう
気づいたら彼は電車に乗っていて私は気づかれないまま駅に取り残されていた

「そりゃもう実質フラれたってことだよね」
目の前で私を憐れみながらパスタを巻いているのは
短大のオリエンテーションで仲良くなった
長田　麻莉(ながた　まり)
「昔からそうだよね　みうは」
そういってドリンクのストローをもてあそぶのは同中の
佐宗(さそう)　ふみ
「そうなんだ？」
「うん　もうさ　好きな人ができるとなんも見えませんって感じでその人一筋だしさ　なんでも彼に合わせて　カメレオンみたいに変わってくし」
「そりゃダメなやつだね」
小さいころから私を知っているふみはもちろん　麻莉もあきれ顔だ
うぅぅぅ
自覚はある
小学校で好きになった先生も　中学の先輩も　高校の時の彼氏だって
好きになったらもうその人しか見えない
そして果敢にもアタックする　『その勇気だけはほめてやる』とふみは言う
そして恋愛体質だからすぐ人を好きになる
だから　告白数も玉砕数も同級生では群を抜く多さだと思う
『もっと考えてもっとじっくりと好きになった人』を見極めなよ
と言われるけど
『好きになったら好き』が優先せれて　自分の気持ちを伝えずにはいられなくなる
「まぁ　でも合コンしてからポイされるよりましだったんじゃない？」
うちらもそんな奴と合コンしなくて済んだわけだし　と麻莉が慰めてくれる
「確かに　あんたほんとに犬ころみたいに男に尽くすもんね」
よしよし　とふみに撫でられる
「それがいいかどうかは別として　友達としてはもっと自分を大事にしてほしいわけよ」
「ふみぃ…」
「そうそう　もっとこう『愛される』恋をしてほしいよね？」
美人系の麻莉が言うとかっこいい
「愛されてたよ　安田先輩にも」
「なんか違うんだよ　特にあんたはその童顔でその体とか狙ってる男多いんだからしっかりしなさいよ！」
えぇそんなこと言われてもぉ
『愛される』ってなんですかぁ！