タイミング

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「あんた鬼だね」 お泊まりの数日あと いつもの学食 何故か麻莉にあきれられてる 「何でよぉ」 ふみに助けを求める 「わたしもハシマサンに同情するわ」 でもふみも助けてくれない 「あのさぁ 好きな女が同じベッドにいて キスしたりはぐされてみなよ」 「おあずけくらって さらにエサばらまかれてるのと同じだよ」 「ほんと よく我慢してくれたよね」 「まぁ それだけ愛されてるってことだよね」 2人からそう言われるとなるほど反論の余地もございません 「よかったね みうもハシマさんのこと大事にしなよ」 「はーい」 「そんであんまり長く待たせたらかわいそうだからね」 わかってる わかってるよ… 私だって いいかなって もう思い始めてる なんならあの夜だって このまま柊さんに…って思っちゃってたし でも私から…なんてはずかしすぎる あぁタイミングって難しい タイミングは突然やってくる 記念日とかイベントがなくても 最近はよく 柊さんの部屋に遊びにいったり うちにもきてもらったしするようになった  「ざ 女の子のへや」とにこにこしながら私の部屋を満喫している柊さんに 若干変態感もかんじつつ きっと今まで付き合って来た人は大人の女だったから こういう子供っぽい部屋は新鮮なのかな?と悲しくもなった でも 今の私は柊さんに影響されて前向きになれてる 柊さんはいつも“今”しかみてないから 今一緒にいるのは私だけって思える わたしももう元カレたちと柊さんを比べたりしない 12月の半ば 柊さんは仕事がとても忙しい  #今日はお休みだから学校終わったらおいで だからそんなLINEをもらったら嬉しくて 午後の授業終わったら 瞬足で帰る ピンポーン 「はーい どうぞ」 部屋着で髪もセットしてない柊さん これもいい 「おじゃまします」西側の小さな窓から傾きかけた日差しが少し眩しい ダイニングチェアに荷物を置いて コーヒーを落とす すると後ろからぎゅっと抱きしめられる 「1日ゆっくりしたけど これが一番の休息」相変わらず いや 前にもまして甘々だ 「お疲れ様です」コーヒーのいい匂いがただよってくる  「柊さんも飲みますか?」そう聞くと お揃いのマグカップをもってくる 「ちょっとまっててくださいね」コーヒーが落ちるまで もう少し 「うん」柊さんはベランダに出て タバコに火をつけた タバコはめったに吸わない たまに 火をつけたくなるって言ってた  ベランダでタバコ吸ってるだけなのにかっこいい 私のフィルター全開かな? 柊さんが火を消すのを見計らってコーヒーを入れる  「そっちで飲みますか?」ベランダから入ってきた柊さんに聞く 「うん」そういわれたので リビングにカップをもっていく 柊さんの横に座ると 柊さんがピタッとくっついてくる 「今日はいつもよりくっついてません?」 嬉しいけど 「だって久々じゃん ミウちゃんとちゃんと会えるの」 確かに 「そうですね」静かな時間 柊さん香り ここちいいなぁ 「今日はなんか夕飯作りますね」 せっかくだから 2人でゆっくりしたい 「じゃぁ パスタあるからつかって」 そういわれて ペペロンチーノ的なのたべたくなった 「ベーコンとかあります?」 「ないかも」そっか 「じゃちょっと買ってきます」 「俺もいく」 ということで すぐそばのスーパーでさっと買い物を済ませて さっそくペペロンチーノ的なものを作って食べる 考えたら初めての手料理だ
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