新学期

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新学期

冬休みはあっというまで すぐに講義が始まる 柊さんも毎日カフェにレストランに 忙しそうだ 「たまにはカフェでも行く?」 ふみが言い出す 「いいね」麻莉も乗り気だ 「みうがこんだけ色気出してきてるんだから ハシマさんはどんな顔してるのか見てみたいじゃん」 麻莉の目的はそれか 「特に変わってないと思うよ 私も変わってないし」 「ふみは?まだ蓮見さん拗ねてんの?」 例のあれだミニスカサンタ(笑) もうあんな服着せないってかなりぐずったらしい 蓮見さんかわいい 「たまにはお店に顔出してご機嫌伺っとかなきゃね」 どっちが年上かわからないな 「いらっしゃいま…せ」 明らかに嬉しそうな蓮見さんのお出迎え 「3人です」 とふみが何気ない顔で言う 「ご案内いたします」 と言われて蓮見さんの後をついていく 窓際の席に案内されて 席に着く 「お決まりでしたらお呼びください」 そういって頭を下げる蓮見さんはふみしか見ていない 「私ら空気だね」麻莉がいたずらな笑顔を見せる 「まぁ ご機嫌で何より」 早速注文決めてボタンを押す かわいい系の小柄な男の子がオーダーに来る 私のわきに立って オーダーを取ってくれる なんだか視線が刺さる気が… 振り返るとカウンターで背の高いイケメンがじっと睨んでいる 柊さん 怖いよ 麻莉とふみも私につられてカウンターを見る 「あっちはの感情はマグマだね」 うんうんと3人でうなずきあう 柊さんの視線が男の子から私に移る いつもの笑顔で笑ってくれてほっとする 「ありゃ 犬か」ん?犬?麻莉の言葉に首をかしげる 「尻尾と耳が見えそう」ふみもおかしそう笑ってる 「え?そう?」 「こんなこと言ったらみう心配かもしれないけど ハシマさんかなりもてるらしいよ」 う…わかってる わかってるよ 「あの顔にあの身長だしね 接客も完璧だし」麻莉も納得 「でもね ちょークールで昔から女の子にはかなりの塩対応らしくて」 「え?想像できない」ふみの言葉に麻莉のほうが驚いている 私もびっくりだ 「でもね それがまたたまらん!っていう女の人も多かったみたいだよ」 「そうなんだ」信じられない 「いや 私はみうにでれでれなわんこちゃんキャラしか見てないから クールなハシマさん想像できない」 うんうん  「お待たせしました」ちょうどいいタイミングで蓮見さんがドリンクを持ってくる 「熱いから気を付けてね」少しかがんでふみに話しかける 「ごゆっくりどうぞ」と私たちにも笑顔を見せてくれる 「尊臣が普通に見える」 確かに 尊臣さん一回しかあってないけど麻莉を溺愛してるって話は聞いたことあるし あった時も麻莉ファーストだった けど それに輪をかけて蓮見さんはふみにべたぼれだ ギリギリ店員のポジションをとってる感じだもんね 「いや あんたの彼氏もだからね」 「え?柊さんも?」 「多分 蓮見さん以外の人がこのテーブル来るのNGっぽいしね」 そういわれてカウンターで接客する柊さんを見る 張り付けたような笑顔ではあるけど ちゃんと店員してるよね?
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