元カレ

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一号店の店長さんが気を利かせてくれて パーテーションで仕切られた応接席みたいなところで柊さんと二人にしてもらった 簡単に男に触らせた おこられるかな? そう思ったのに 柊さんは私をぎゅっと抱きしめた 「あんな言い方しかできなくてごめん」 「え?いや むしろ 来てくれてありがとうございます」 「あのさ もしかして元カレ?」 こくりとうなずく 「そっかぁ」 柊さんは小さい声で『しくったなぁ』とか言ってる 「大学が隣の駅なので 生活圏内ではあるんですけどそんなに会わないと思います」 「家… あいつ ミウちゃんち知ってるの?」 「いえ 知らないと思います うちに来たことないし そんなこと聞かれたことなかったし」 「でも学校は知ってるもんね」 「はい 」 柊さんは何か考えてから 「今日は俺もうすぐ上がるから 俺んちおいで 送ってく」 と言ってくれた 柊さんのおうちにお邪魔して お泊りする こんなに違う 好きだと思う気持ちは同じなはずなのに  むしろ先輩のことは私のほうが好きだったはずなのに… 今は柊さんじゃないと全部いや 声もにおいも雰囲気も キスはおろか触られるのも 怖いしいや 「大丈夫?」柊さんがホットミルクをくれる 「はい ありがとうございます」 「俺のミウちゃんなのに 気やすく触んないでほしいよね」 本気ですねてる柊さん かわいい 私から キスしてもいいかな?ちょっと柊さんに近づいてみる どうしよう 緊張する ちょっと悩む 「ここでもここでもどうぞ」柊さんが 自分のほっぺと唇を指差す 「ひゃえ?」恥ずかしい キスしようとしたのばれてる そう思ったら変な声出ちゃった 「ははっ!何それ?キスしてくれるかなぁって待ってたんだけど新手のじらし?」 「し します じらしません!」 「え?してくれるの? じゃぁ はい」目をつぶる柊さん しまったボケツ掘った でも 柊さんのこんな顔めったに見れない ちょっと見とれてると ぐっと引き寄せられて 唇を奪われた 「しゅ 柊さん!」 「もう ミウちゃん待てない!」 楽しいな 柊さんとの時間  あのまま先輩のを知らないまま付き合って いづれか 体も許してたら こんな幸せな気持ちにはならなかったし キスもエッチも嫌いになってたかも 気持ちって大事だなと柊さんに包まれながら思う 「ミウちゃん 集中して」 「やきもちですか?」 「ミウちゃん意地悪だから やきもちなんか焼いてあげない」 「柊さんと出会ってからのこと考えてたんです」 一瞬驚いた顔をして見つめられる 「目の前にの俺がいるのに?」 すぐにいつもの柊さんの余裕を取り戻して 「過去の俺にも嫉妬しそう」そう言ってキスを繰り返す 「抱かれてるときくらい 目の前の俺にもっと夢中になってよ 何も考えられなくなるくらい 愛してるから」切なそうにそういって 優しく甘い時間をくれる 柊さんの望み通り すぐに何も考えられなくなってしまうほど 柊さんに深く落ちていく
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