柊さんって何もの?

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帰り道 柊さんは私の肩を抱いて歩いた 街灯の下で手があおたんにになってるのに気づく びっくりして 「大丈夫ですか?」と聞くと 「手、繋げなくてごめんね 大丈夫だよ」 と笑ってくれた 部屋に戻って お風呂入って着替えて 簡単に夕食を作って食べる そのあとテレビ見てゆっくりしてたら 突然柊さんがテレビを消す 「ミウちゃんさ」と切り出す 大事な話かな? 先輩のこと? 「いやじゃなかったらさ ここで一緒に住まない?」突然の申し出だった 「もちろん ご両親にもちゃんと了解取りに行かせてもらう」 いつになく真剣な柊さん  「ダメかな?」 「柊さんはいいんですか?」 「え?おれは ミウちゃんをそばに置いときたい」言った後正面からがっ!っと抱き着いてきて 「合鍵あるし いつ来てもいいんだけど そうじゃなくていつもここに帰ってきてほしい ミウちゃんとこよりセキュリティーもしっかりしてるし  少しでも安心してたい」柊さん… 「親にも聞いてみます」そう一言だけ返す 「わかった」そう言った後もしばらく私を抱きしめてる 柊さんが一緒に住みたいと思ったのは驚いたけど やっぱり先輩のこともあったからなんだろうな 私も柊さんの帰ってくるところに住めたら毎日幸せだろうなぁ と思う しばらくして  短大の友達から先輩の話を聞くことになる 「みうってさぁ 隣駅の大学の安田って人と付き合ってたよね?」 もう聞きたくない名前だ 「あ うんもう別れたけどね てかフラれたんだけど」 曖昧に笑顔を返す 「よかったじゃん」 え? 「安田って人さ 合コンやりまくって 食える女みんな食い漁ってさ」 「そうそう で なんか何人かとトラブったみたいでさ」 「それ私も聞いた 女同士でもなんかあったみたいだし 大学に女が来たって話も聞いた」 へぇ 結構やばいひとだったんだな 「うちらも合コンの話来たんだけどさ 安田って人いるって聞いたから断ったんだよね 結構悪い噂広まっててこの辺じゃ 合コンに乗ってくる女子少ないらしいよ」だろうね やり棄てられるなんて御免だ 「でも 顔がいいんでしょ?」まぁね 「最近は いろんなとこでナンパしてるって聞いた」 そうなんだ もはやどうでもいいけど 会いたくないな 「もしかしてみうも やり棄てられた口?」 いや女子たちよ 意外とずかずか聞いてくるのね汗 「いや 私は…」してないっていうかしなかったから捨てられた 「なんにしても いい話聞かないから 別れて正解だね」 なんかありがとう 「その安田って人かどうかわからないんだけど 最近 隣の大学のやつがさぁ   誰かにケンカ吹っ掛けて 逆にぼこぼこにされたらしいよ」 え? 「マジで?絶対女がらみじゃない?」 それってもしかして 「ほら ちょっと先の商店街でさ」 「知ってる なんかね 3人で一人にケンカ吹っ掛けたらしいよ」 「やばい人の女にてぇ出したんじゃない?」 「まぁ 自業自得だよね」 ねぇ と言いながら友達たちはそれぞれ授業に散っていった 「それって やっぱり柊さんとあの時のこと?」 だとしたら 柊さんって何もの?  
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