一緒に暮らそう

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一緒に暮らそう

四月になる前にうちの両親に了解を取って 柊さんのアパートに引っ越すことにした うちの両親に会う時の柊さんは お手本にあるみたいな「彼女の親に挨拶に行く彼氏」そのもので完ぺきだった うちの両親は超がつくほどフレンドリーだから 柊さんもすぐにうち解けたみたいだけど 駅に迎えに来てくれた弟の海流(かいり)を 何か勘違いしてやきもち焼いてた 確かにかいりは背も高くって柊さんほどではないけど もてるみたいだからね まぁこっちもすぐに打ち解けられて一安心 かいりは柊さんのことすごく好きになっちゃったみたいで チョーなついてたし 「早くほんとのお兄ちゃんになって」とか言って ほんと恥ずかしかったけど… 「荷物意外と少なかったね」 柊さんは自分の部屋に置かれた私の荷物を満足そうに眺めた 「そうですかね?」 「まぁ そのうち増えてくかもだしね」 私の頭をポンポンする 「それにしても やばいなぁ」 「毎日ミウちゃんいるとか うれしすぎでしょ?」 何をおっしゃってるんでしょう  私こそ 毎日柊さんと一緒なんて幸せすぎて怖いです 「俺 ずっと気持ち変わらない自信あるから」 柊さんの香りに包まれながら そうあってほしいと願ってしまう 「自分でも知らなかったけど ミウちゃんに会ってさ 俺 自分の独占欲の強さと嫉妬深さに驚いてるよ」 そう言った後いたずらな笑みを浮かべて 「俺の愛相当深くて重いから 無茶苦茶覚悟しててね」 と言った 「望むところです 柊さんこそ覚悟してくださいね」 今まで追いかけてばっかりで 相手のこと知ってるようで知らない ほんとに自分勝手な恋愛をしてたけど 柊さんにあって 柊さんに愛されることで 本当の意味で 「愛してる」の言葉の意味を分かった気がする それは柊さんつ繋いだ時のぬくもりだったり、合わせる唇の優しさだったり 柊さんの全部を包み込む空気だったり、柊さんと一緒にいる時の自分だったり 全部が大事でいとおしいその気持ち 柊さんと過ごす毎日の中にしっかりちりばめられているいろいろが全部大切だと思えること 愛されるって愛すると同じくらい幸せな気持ち それがずっと続いていきますように 二人の部屋の窓から二人で見つめる空と未来にそう願った                       終わり
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