新しいカフェができたんだって

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テーブルに来る店員さんはほんとに例外なくいろんなタイプのイケメンばっかりだった 「で あの眼鏡さんとはどうやって知り合ったの?」 私も聞きたい! 「うーん ほら私GWに携帯ショップで短期バイトしてたでしょ?」 あぁ あのミニスカ履いてチョー頑張ってた高時給のやつ(笑) 「その時のお客さんでさぁ 私はただ立って店までお客誘導するだけだったのに なんか店頭でいろいろ質問せれてさ」 「面倒な客だね」麻莉がストレートに言う 「だったんだけどさ 店内で説明聞いてもらうようにお願いして その日は何でもなかったんだけど 次の日もまた来たんだよね しかも手紙もって」 「すごいね 積極的」うんうん 麻莉の相槌に私もうなづく 「まぁそこに私に一目ぼれしたことが書いてあったんだよね 取り合えず友達になりたいって」 なんかドラマみたい 「で 連絡先書いてあったけど 無視してたっていうか 忘れてたんだけど このショッピングモールで偶然会ってさ」 「まじか!」麻莉の声も少し大きくなる 「声でかいわ」ふみが苦笑いする 「で ここがオープンするにあたって彼…蓮見(はすみ)さんが1号店から店長として派遣されてここに来るって聞いてたんだ」 なるほど  「1人で来る勇気なかったし ちょうどよかったよ」 新しもの好きの私といたら いつかはここに来ることになるよね 「電話では何回か話したんだけど 感じ悪くはなさそうだし」 私と違って慎重派のふみだけど もう迷ってるって感じじゃないよね 私たちにできることは“背中を押す”って感じなのかな 「見た目はいいよね」中身はわかんないけどさ と麻莉はいった 「みゆはどうおもう?」 「うーん 雰囲気はいいっぽい?」 自分なら当たって砕けろだけど ふみには失敗してほしくない 「そっか」 「まぁ そんな深く考えないで 少し様子見たら?」 麻莉も同じ気持ちかな 「だね ありがと」 「あぁおいしかった」 お茶もスイーツも最高だった  「私まとめて払っとくよ」ふみがスマホを出したので  「じゃ あとで送っとくね」と私たちもスマホを出して送金のしぐさをした 「私ちょっとお手洗い」 そういって麻莉はお店を出た 私はお店の出入り口のすぐわきにあるベンチに座った おいしかったなぁ と思わず笑顔になってしまう 「失礼します ご案内いたしますか?」 ふと耳元で声がして驚く 振り向くとカフェの店員さんらしき人がひざまずくように私の隣で笑顔を見せていた 「い いえ 今お茶して出てきたところです」 我ながら間抜けな答えだ 「あ そうでしたか 失礼いたしました」 そういって立ち上がった彼は とても背が高かった 思わず見惚れていると 「またいらしてくださいね」とほほ笑んでくれた 「は はい」 「お待たせ」 そこに タイミングよくふみがやってきた 「ありがとうございました」 その店員さんは私たち二人に深くお辞儀をして店内に戻っていった 「どうしたの?」 店員さんを見送ってぼーっとしてる私にふみが聞いてくる 「ううん お会計ありがと」 「蓮見さんとデートの約束しちゃった」 「お ふみにしては積極的」 「なんかね直感かな?」 ふみの言葉は数打つ私には重みのある言葉だ(笑) 「ごめんね 失恋したばっかのみう こんなことに巻き込んで」 「何言ってるの なんか私まで幸せな気持ちになったよ 気分転換にもなったし また新しい恋をみつけるぞー」 「そういう時にはなかなむずかしいよねぇ」いつの間にか戻ってきた麻莉がいたずらに笑う 「まぁ 今度は惚れるんじゃなくて "惚れられる"になってほしいもんだよ」 ふみのおばぁちゃんみたいな言い方が おかしくて三人で笑ってしまう その様子をさっきの店員さんに見られてたなんて 気づきもしなかった
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