学園祭

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学園祭の準備は割とやることが多く 柊さんとの甘いひと時に浸ってる暇なく時は過ぎ いよいよ学園祭当日  ふみはコーラスのサークルに入っていてコスプレでバルーンアートをするといっていた 短大(うち)は保育系の学科もあるので保育園などにも案内を出している だからちびっこもたくさん遊びに来てくれるって聞いた 麻莉はサークルに入ってないのでホットドック屋さんをお手伝いするらしい レトロなアメリカンの雰囲気を出すためにデニムのショートパンツやミニーちゃんみたいな衣装の子がたくさんいて女子校らしく華やかだ スタイルのいい麻莉はすらっとした足を惜しげもなく出してこれでローラースケートでも履いてたら 昔のアメリカ映画から抜け出してきたみたいだ 白のレースのカチューシャを付けて本人はご機嫌だ 同じテニスサークルで麻莉と同高の子が 「ありゃ彼氏(たかおみ)が心配になるわけだ」と彼氏に同情していた 「心配性なの?」まぁあれだけの彼女なら たいていの彼氏は心配になるよね けど一応聞いてみる 「まぁね でも私はあんないい男が彼氏ならそっちのほうが心配だけどね」 と肩をすくめる 要するに美男美女カップルなんだ 私はたかおみさんにあったことないけど 麻莉は超がつくほど彼氏一筋みたいだから会うの楽しみだなぁ いつもと違う麻莉が見れちゃうかも 「おはよっ!」私よりも若干テンション高めなふみの声 振り向くと 人気ゲームのキャラクターのコスチュームを着たふみがいた 「かわいいー」 「でしょ? 子供受け大事だからねぇ」 「蓮見さんも来るの?」 そう聞くと少しほほを赤くして 「うん」とうなずくふみ こりゃもう付き合ってるといっていいんじゃないかな? なんか自分のことみたいにわくわくしてしまう ふみと別れてサークルの手伝いに向かう 入り口付近のテントでお店を広げる予定なので部室から集まった商品をテントまで運んだ 開店準備が一通り終わったところで 「各々自分の時間にはちゃんと来て店番してね」 「はーい」部長の一言で学祭の一日が始まる 私は午後の一番最後が店番なので 麻莉のところでもいこうかな 「やっほーみう」 「頑張ってるね 彼氏はいつ来るの?」 「うん 尊臣(たかおみ)は昼くらいかな」 そうかぁ “彼氏と学祭まわる”なんてちょっと憧れ うらやましいかも 「お互いガンガン売ってこうね!」そう言ってウインクをする麻莉 なんだか高校の学園祭とはまたちがったわくわくがある クラスの子何人かでホットドックでお昼を済ませた後 店番を終えた麻莉が『フリーマーケットを見たい』というので サークルのテントに一緒に向かう そこで彼氏を待つようだ サークルもなかなかににぎわっていた  麻莉と買い物を楽しんでいると 「まり」と優しく麻莉を呼ぶ声がして 振り向くと『モデルか?』というようなおしゃれでかっこいい男の人が立っていた ただ立っているだけなのに絵になる この人が尊臣(たかおみ)さん? 「あ 尊臣」やっぱり 麻莉が嬉しそうに駆け寄る 二人並ぶとオーラがすごい 一応会釈する 「尊臣 この子だよ こっち来てから仲良くなった真田 海羽」 「どうも 金沢 尊臣です」 「どうも」 なんだか物腰の柔らかい優しそうな人だ 「まり なんかすごい恰好してない?」 「似合う?」かみ合わない二人の感情にほほえましく眺めてしまう 「似合うけどさぁ…」尊臣さんの心中お察します 「あ 私 ふぃみのとこ見てくるね 尊臣さんもごゆっくり」 「うん わかった またね」 私は二人の邪魔にならないように 二人に別れを告げた 麻莉は彼氏に肩を抱かれて校舎のほうへ歩いて行った 私も テントを少し離れて 他のブースも見ようと少し歩きだした すると校門のところに蓮見さんの姿を見つける  向こうも私を見ている 気がする(笑) 私は少し近づいて 「こんにちは 蓮見さんですよね?」 と挨拶をした すると 思い出したように 「あぁ ふみちゃんと一緒に来てくれた…」 と言って会釈してくれた  尊臣さんもそうだったけど 蓮見さんもなかなかの目立ち具合だ 周りの視線がいたい 「ふみと待ち合わせですか?」 「うーん 突然行ってふみちゃん脅かそうと思って」と無邪気に笑う 「悪いんだけど 案内してもらえるとうれしいかな」 聞いてた通り 悪く言えばなれなれしい よく言えば人懐こい 「いいですよ」 「あ でも もう一人友達が来るんだ」 そういった その時 「蓮見さん お待たせ」
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