学園祭

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聞き覚えのある声とともに目の前に現れた高身長の(ひと) 「柊… さん」なんで? 冷静に考えたらわかる 同じ店で働いてるんだし 仲良くなっても不思議じゃない タイプも似てるし 仲良くなる確率のほうが高い 「あれ 知り合い?」 そんなのんきな蓮見さんの声で我に返る 「ミウちゃんここの学生さんだったんだね」 蓮見さんの言葉を無視して 柊さんが私に話しかけてくる 「…はい」 「お店のお客さんだよ モールのカフェの」 笑顔で蓮見さんに答えた後 「蓮見さんこそ知り合いなの?ミウちゃんと」 と聞き返した 柊さん 「ほら 僕の好きな人のお友達なんだよ」 蓮見さんも笑顔で答える 「へぇ 世間は狭いってこのことだね」 そうですね(汗  「今から彼女に案内してもらうんだ ふみちゃんのお店まで」 蓮見さんがそういうと 柊さんはぱっぁと笑顔を咲かせて 「やった! じゃ一緒にいこ?」 と何のためらいもなく私の手を握った しかも恋人つなぎ! 「…あ あの手はっちょっと…」 遠慮がちにお断りする 「そっかぁ …やっぱりまだだめ?」 ズキューン!と音がしそうな衝撃!何そのしぐさ?何その表情? ずるいやつだよね?もう心臓射抜かれるやつだよね? しかもその高身長でかわいいとか ギャップ的に反則だよね? 「い いや ダメっていうか その女子校なので目立つので 恥ずかしいというか…」 もう! むっちゃ見てくるじゃん!そんなに見つめられたらますます恥ずかしいよ 「ほらほら 女の子を困らせない 行くよ柊」 と蓮見さんが間に入ってくれて事なきを得た 何となく離れた手がさみしいと感じてしまう でも私の隣を歩く柊さんは とっても楽しそうで嬉しそうで しらないうちに私もうきうき楽しくなる 不思議… 「ふみぃ」コーラスサークルのブースでふみを見つけて手を振る 振り向いたふみは私の隣に蓮見さんを見つけていつもの2倍…いや 5倍くらいの笑顔になる 「こんにちは」 「いらっしゃい」 なんだか2人の間の空気がとても甘くなり ちょっとお邪魔かな?と思う 蓮見さんはふみのコスプレを心から誉めたりしてる 「ふみもうすぐ当番終わりでしょ?」 そう聞くと時計を見て 「うん」と答える 「そしたら私は蓮見さんご案内できたし 他見て来るね」 と言ったところで気付く それはふみも蓮見さんも同じだった 「あの みう?」ふみは私の後ろにひかえていた柊さんを見上げて 「こちらの方は?」 と本気のはてなで 尋ねてきた 「えぇっと…」返答に困った私にかわって「ぼくの後輩 真田さんともたまたまお友達だったみたい」と蓮見さんが答えた それを聞いて ふみはピンと来たらしく 「あぁ じゃあ蓮見さんは私にまかせて 案内ありがとう」にやにや笑った そうだぁぁぁ 蓮見さんとふみがいなくなったら 私は柊さんと二人きりになってしまう!振り向いたら めいいっぱいしっぽ振ってる柊さんと視線が合う 「俺1人じゃ寂しいなぁ 知らないとこだし」はぁ まぁそうだよね ここで 『はい さよなら』って訳にはいかないよね 「じゃ まわりますか?一緒に」 柊さんは嬉しそうにこくこく頷いた
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