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6
25日。
夕方。
まだまだ赤と緑に浮かれた街をぼんやりと歩く。
結局あれから藤巻くんには会っていない。
来れないって言ってたんだから、とか、しばらくっていつまでだよ、とか、こんなことなら連絡先を交換しておけばよかった、とか、所詮ただの散歩仲間でたまたま偶然会ってるだけなんだから、とか、とか。
いいんだ、もともと運動不足解消のためにしていたことだったし、と、俺は毎日川沿いの道を1人で『散歩』した。
「楓!」
待ち合わせていた駅の改札口にシマのよく通る声が響く。
「シマ!ごめん、待たせた?」
「全然。俺も今来たとこ。んじゃ行くか。」
「うん。」
「なんか楓、薄着じゃね?風邪引くぞ。」
「昨日少し暖かかったからさ。油断した。」
「あーそれな。でも今日はそれじゃ寒ぃよ。ほら、早く行こ。」
「うん。」
本当に、これでは身体まで芯から冷え切ってしまう。
指先が、冷たい。
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