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酒は得意では無いけれど、気の置けない仲間とわいわいするのは嫌いでは無いし、みんなが楽しそうにしているのを見るのも好きだ。 たまにはこういうのもいいな。 2杯目の巨峰サワーで頭がふわふわしてきた頃、クラスメイトだったまことが話しかけてきた。 「なぁ楓、シンジってやつ、知り合い?」 ゾッとした。 なんでここであいつの名前が出てくるんだ? 「この前クラブで会ってさ、俺が南高出身って言ったら佐藤楓って知ってるかって聞かれて。」 「なんて、答えたの……?」 「なんかちょっと怖いっつーか様子が変だったから、そんなやついたかなーって適当に誤魔化しといたけど。何?なんかやっぱヤバいやつだった?」 「やばいっていうか……」 どうして、なんで今さら、そんな… 「ヤベーも何も、ガチヤバ!」 シマが後ろから顔を出して言った。 「まこっちゃん、グッジョブ。誤魔化してくれて正解。またなんか聞かれても知らないっつっといて。頼むわ。」 「マジ?だよな、了解。いろんなやつに聞き回ってるっぽかったぜ。楓、よくわかんねぇけど、気をつけろよ。」 「うん、さんきゅ……。」
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