甘いモノでも食べましょう

2

カタカタとキーボードを鳴らし、モニターとにらめっこすること数時間。

しょぼしょぼする目に目薬を差したついでに時計に目をやると午後8時ぴったりだった。

フリーランスのよくないところは、よっぽど気をつけていないと生活リズムがめちゃくちゃになってしまうところだ。

うっかり何徹もしてろくに食事もとらずに数日過ごしてしまうと、あっけなく体調を崩してしまうことはこの数年で痛いほど学んだ。

よし、一旦ここまでにしよう。

座ったままの姿勢で両手を高く上げぐいと伸びをすると、全身がミシミシと悲鳴をあげた。

今度は立ち上がり適当なストレッチをする。窓ガラスに映る自分の動きは滑稽な上、一体どこの筋肉に効いているかも分からないけれど、やらないよりはましだろう。

開けっ放しだったカーテンを閉め、家の鍵と財布はパンツのポケットへ、スマホは羽織ったパーカのポケットにそれぞれ入れて、イヤホンを両耳に突っ込んで近所の24時間営業のスーパーへ向かう。

目的は惣菜コーナーだ。変わった味付けのから揚げとか、アスパラのお浸しみたいなやつとか、ここの惣菜コーナーは充実している上に定期的にラインナップが変わるので毎日通っている身としてはとてもありがたい。

レジに向かう途中で100円のプリンを2つカゴに入れる。ひとつは夜食用に。もうひとつは明日の朝飯用に。