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午後2時半。
ランチ最後の客を送り出して、眞白は店をCLOSEした。
「さてと。眞白、お疲れ様。なんか作ってやるよ」
そう言って薫は、またキッチンに立った。
疲れているのに申し訳ないと思い、眞白も手伝う為に隣に立つ。
「眞白ちゃーん、俺、ご飯にビーフシチューかけたのがいいって薫に言ってくれる?」
「聞こえてるって。全く何時までいるつもりだよ?」
薫は、宮本を睨みつける。
「食べたら行くよぉ。今日は、ちょっと夜、用事があるからさ」
ふうん…
夜に出かけるなんて気にならないのかな…
眞白はチラッと薫を見たが、全く気にしていないようだった。
「眞白も同じでいいか?」
「あ、はい!」
薫がビーフシチューを温めてくれている間に眞白は皿にライスを盛る。
トロリとシチューをかけて、その上に半熟卵も乗せてくれた。
「うわぁ…美味しそう…」
眞白は、美味しそうな見た目に思わず声が出た。
「ほらよ、宮本」
薫は、カウンターにトン、と皿を置く。
「お前も眞白みたいに、美味しそうとか可愛いこと言えば?」
薫がニヤニヤとして言う。
「うわあー、お、い、し、そー」
宮本が言って、三人で笑った。
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