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「じゃ、俺帰るわ。薫、またな」
宮本は、スーツに着替えて帰って行った。
「あー、またな」
薫は、軽く手をあげる。
宮本が出ていき、薫は鍵をカチャリと閉めた。
「あのさ、眞白。もし良かったら夜も手伝ってくれるか?」
不意に薫が聞いてきた。
「え?ディナーですか?」
眞白は尋ねる。
「いや、そんな堅苦しいのは、もうやってないんだけどさ。酒とちょっとしたツマミを出すのをやってて。
割と客がくるから手伝って貰えると助かる」
「あーなるほど。分かりました。俺で役に立つんなら」
眞白は、薫と夜も過ごせるんだと嬉しくなる。
「ちょっと酔っ払いの相手もしないとならないけど、大丈夫か?」
薫は少し真面目な顔をした。
「大丈夫です。任せてください!」
これでも社会人として何年かやってきたのだ。なんとかなるだろう。
「いざとなったら守ってやるから」
そう言われて眞白はドキンとする。
「あ、はい…」
思わず赤くなってしまった。
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