159人が本棚に入れています
本棚に追加
カラカラン~
ランチタイムが始まるやいなや海里がやって来た。
「ちぃす!」
「あ、海里」
目を合わせてにこりと笑いあう。
「よう、海里。昨日はありがとな」
「え?なんで薫さんがお礼言うんだよ」
海里は少しムッとする。
「なんでって保護者みたいなもんだろ?俺は」
なあ眞白、と言って薫は眞白の頭をポンと叩いた。
「ですね」
眞白は心がキュッと痛くなる。
本当に昨夜のことは全部覚えていないんだろうか…
抱いて欲しい、と言ったことも?
今すぐに一人で泣きたかったけれど、ふぅ…と小さくため息をついて心を強くした。
「何食べる?たまにはエビフライとかどう?」
「あ、いいね。ちょうど母ちゃんに給料貰ったとこだし。そうしようかな」
「はーい。薫さん、エビフライランチお願いしまーす」
「おっけー」
薫は優しい笑顔で眞白を見た。
どうしてそんな顔をしてくれるの?
優しくされるのが今は辛かった。
最初のコメントを投稿しよう!