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「ボッキフゼン?」 海里は眉を寄せる。 「つまり勃たないってことか」 ふうん、と海里は腕組みをした。 「俺には考えらんねえ」 「だろうね」 「なんだとぉ」 海里はふざけて眞白をベッドに押し倒そうとして来た。 「ダメだって!」 チラリと海里の部屋のドアのほうを見る。 「お母さんもお父さんも居るんだろ?」 「ま、な…。さすがに親がいつ2階に来るかわからないしな」 眞白は少しホッとする。 海里には会う度に迫られていて、眞白はその度にまだ心の準備が出来ていないと話していた。 申し訳ないとは思う。 けれど身体がどうしても拒否をしてしまっていた。 「心と身体ってやっぱり繋がってるよね」 「何何?眞白、急に哲学的だな」 「いや、やっぱりさ、勃たないのって精神的なストレスとかあるって」 スマートフォンで調べた知識を少し話す。 「まあな。そりゃあるかもな。女だったら誰でもいいって奴もたまにいるけど…」 海里は眞白の肩を抱き寄せた。 「俺は、眞白じゃなきゃダメ。絶対浮気もしないから」 「ほんとにぃ?」 眞白は、じっと海里を見る。 「ほ、ほんとだよ!」 海里は少し目を逸らして赤くなった。 「男って皆浮気するって前の職場の女の子が言ってたけどな」 「皆ってことは無いだろ?」 何となく視線があってそのままキスをする。 深く口付けられ、海里の硬くなった物が眞白の太腿に充てられた。 …海里は、こんなにすぐに勃起するんだ… 怖いくらい冷静な自分がいて驚いていた。
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