1人が本棚に入れています
本棚に追加
***
「お前、マジで馬鹿でしょ……」
私は呆れてため息をついた。我が家の柴犬家族。たった今、旦那柴が奥さん柴にめっちゃくちゃ吠えられて、すごすごと退散したところである。
おいこら、きゅうきゅう鳴きながらこっちに来るなお前。そんな“僕悪くないですよねご主人?”なんて顔されても私は知らん。ていうか。
「ねー、ママー、構ってよー。ステイホームで暇だよおおー」
「お前な!」
真横には、しつこくからんでくる人間のオスが一匹。誰がママだ、私はあんたのママになった覚えはないです。ていうか五十八歳のガキなんぞ産んだ覚えはない!
「今の光景見てて何で学ばないんだ、このドアホ!」
「ぐへっ」
退屈で甘えん坊モードになった人間♂(58)を私は思いきり突き飛ばした。ソファーにひっくり返るご主人カッコカリを、子犬たちがめっちゃ呆れた眼で見ている。
犬も人間もオスはなんと馬鹿ばかり。
同じ理由で奥さんを毎回怒らせて、ちっとも反省しないのだから!
最初のコメントを投稿しよう!