かあちゃんが怒った!

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かあちゃんが怒った!

 ぷい、とそっぽを向く首。  視線を合わせるどころか、露骨に避けられている僕。  相手は僕の、大事な大事な奥さんなわけですが。 「か、かあちゃん?なんでそんなに不機嫌なのかな?かな?」  母ちゃん、無言。  あの、それとなーく立ち上がって別の部屋に行こうとしないでくれますかね。リビングにいる子供達の視線がめっちゃ痛いわけですが。 「頼むって!お願いだからやめてって!僕が悪いことしたなら教えてって、ね、ね?」  先回りして、彼女の鼻先に訴えかける。なんだろう、眉間の皺が濃くなってるような? 「大好きな大好きなかあちゃんに嫌われたら僕死んじゃう!ね、仲直りのハグしようチューしよう!ねえねえ、ねえねえ、ねえねえってばー!」 「………」  次の瞬間。 「だから!」  噛みつかん勢いで、彼女に怒鳴られた! 「しつこい男は嫌われるって言ってんでしょうが!!」
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