溺愛するな、溺愛されろ。

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「パ、パパ…っ」 皆さんこんにちは。 現在15歳にも関わらず、父、明彦に助けを求めています。 だ、だって…! わたしが今いる所は、私立虹ヶ原学園の校門前。 パパは有名企業、『ツバクロショウジ』グループの取締役、つまり社長さん。 そんなパパの娘のわたしは世に言う“お嬢様”らしい。 中学3年生のとき、パパに選んでもらった高校がここ、虹ヶ原学園だった。 そして今初めて虹ヶ原学園を見たんだけど… 「大き過ぎない!?」 「大丈夫大丈夫、璃愛には丁度良いくらいだよ」 なんて笑いながら言うパパ。 わたしには丁度良いくらいって… こんなに大きい学園、わたしには不釣り合いだよ… 「そうだ」 パパが何か思い出したように呟き、こちらを向いた。 「璃愛」 「な、何っ…?」 久しぶりに聞いたパパの真剣な声に、ピンっと背筋を伸ばした。 「男にはあまり近付かないこと。分かったかい?」 「は、はいっ!」 「なら良い」 すぐにさっきまでの穏やかな笑顔に戻った。 パパはいつも笑顔だけど、怒ると凄く怖いんだって。 お手伝いさんからそんな話を聞いたことがある。 「さぁ、行ってらっしゃい」 パパに手を振り返して、学園内へ入っていった。
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