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 ある日のことです。  天の神さまが、少しだけ高くとべるカエルのことを見おろしていました。  実は、少しだけ高くとべるカエルは、もうすぐ寿命がきて、天に召されることになっているのです。  彼はそのことを知らず、傷つき、よれよれになりながらもとびつづけているのです。  彼の姿を見て、神さまはあわれに思いました。 (少し、手助けをしてあげようか)  あのカエルのプライドを傷つけないように、こっそりと力を貸してやろう、と考えたのです。神さまの力をもってすれば、あのカエルに、目標としている葉っぱまでとびあがらせることなど、たやすいことです。  神さまは、力を使うべく、片手を持ちあげようとしました。  ちょうどそのときです。  少しだけ高くとべるカエルは、ふいに、いままでにないような力が身体にみなぎるのを感じました。少し、風も吹いています。風は、とびあがった彼の身体をわずかばかり押しあげる一方で、葉っぱを少しだけゆらしました。彼の身体が葉っぱにとどく直前、ゆれた葉っぱが下がりました。彼は、下から二枚目の葉っぱの、ほんの先っちょにとどきました。そこに必死にしがみつくと、苦労して、葉っぱのまん中までのぼったのです。 「ああっ、とうとう」  少しだけ高くとべるカエルは天をあおぎました。「ぼくは、とうとう、とどいたぞ!」
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