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ところが、そのときでした。
むこうの草むらのほうから、見たことのない若いカエルが、木の下へとやってきたのです。
若いカエルは、下から二番目の葉っぱに、少しだけ高くとべるカエルがのっているのを見ると、
「ふーん」
と、意味もなくうなりました。
それから、ほんの気まぐれに、ぴょんととびあがりました。
若いカエルがとびのったのは、下から五番目の葉っぱでした。らくらくと、なんの苦労もなくとんだのでした。
「きっ……きみ、すごいじゃないか!」
少しだけ高くとべるカエルは、ずっと上の葉っぱにのったカエルを見上げ、こうふんして声をかけました。
「え? なにが? こんなの、ぴょんととべば、とどくでしょ、ふつう?」
若いカエルはつまらなさそうにそう答えると、さっと地面にとびおりて、向こうへ行ってしまったのです。
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