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久しぶりに自分の姿を見た。 正気を保つために普段から身だしなみには気をつけていたが「かっこよくなるため」鏡を見るのは久しぶりだったんだ。 「ふむ…」 鏡に顔をくっつけて右、左にポージング。 うん、俺、中々かっこいい♪ かつて金髪に染めた髪は毛先しか残っておらず黒々しているがそれなりに整えて体力をつけるために筋トレなんかもして清潔に気をつけてみたら元々のかっこよさに戻れつつある。 「………。」 そわそわそわそわ、あと10分で転送だ。 ちょっとくらい早くてもいいんだぜ? これだから時間厳守のAI様は…ハッ!待てよ、これから会うのは人間だ!どうしよう何を話そう。天気の話が無難かな?小さな天窓以外外から光入らねえんだけどさ。よし、いっちょ練習するか。 「…すう、はあ…はずっ、はじめまさて…」 だめだ口が回らねえ、頬の筋肉痛いわ。 両手で頬っぺたを包んでマッサージ、ここもちゃんと動かしとくべきだったな。よしもう一度だ。 「や、やあ…元気?」 片手を上げてニヤリとスマイル。 …挨拶の練習なのに虚しくなってきた。 やりきれない思いを誤魔化すように首をコキコキ。最後に深呼吸してもう一度ーー 「あの!俺と子作りしてくださ!!!!」 ポーーーン 『マモナク 転送開始デス』 体の周りにカラフルな光の帯が現れ、白く意識が濁っていく。真っ白…真っ白で暖かい…
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