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「何があった、ひどいこと言われたのか?」 「ひっう、ひう…っち、違うの…」 「泣くな、まこ、泣いても俺、泣き止ませる方法分かんないんだよ…。」 「ごめんね…ごめん…」 足元に屈んだ新は困った声で、ガサガサした無骨な指で僕の顔の涙をぐしゃぐしゃに拭いた。痛くて、ちょっと痒い。 今気づいたけど学校で2人きりになったのって初めてじゃないかな。 いつも背中合わせか隣に肩を並べる新が今、僕の正面で僕だけを見てくれている。 不安で胸がいっぱいなのにそれが嬉しくて、嬉しくて…気がついたらキス、してた。 「…!」 涙でぐちゃぐちゃなキスはしょっぱかった。 多分、キスしてた時間は1秒くらいだけど僕にとっては1分、いや1時間は長く感じた。 泣いたりキスしたり、僕の行動が読めないのか新はパチクリと瞬きを繰り返していていた。 「ねえ新…好きだよ。僕を、他の男に触らせないで…。」 「ーーーーーーーっ。」 目の前の新が一瞬にして狼に変身した。 僕の体をコンクリートの階段の余白に押し倒すとキス、キス、キスの雨。めちゃめちゃにされた。同じ年なのに新のキスはムズムズ気持ちよくって不思議な心地がした。 唇に噛みつく新が僕の腰をガッと掴んだところで我に返ったらしい。 「す、すまんっ…我慢出来なくなった…!」 「我慢…?」 「…まこは、小さいだろ。俺みたいな巨人に告白されたら絶対怖いだろ…。暴力振るわれるかもしれないから断れなかったんじゃないのかってずっと悩んでて…。本当は、ちゃんと好きだって言いたかった。」 新もずっと苦しんでたんだ…。僕のことを考えて。本当に好きでいてくれたんだ。 それじゃあ僕の答えは1つだ。 体格差を気にして体を離す彼の首の後ろに腕を回し、グッと体を引き寄せた。 「我慢しないで…もう僕、新とえっちできる体だよ…?」 「っっっっっ!」 何故そこで自分に腹パン!?セルフ暴力に普通にびっくりした。 「あら…」 「ダメだ今呼ぶな、お前に名前呼ばれたらここで犯しちまう。こんな俺でも初めては優しくしてやりたいんだ…頼むから今は呼ぶな。」 「うん…分かった。」 神妙な顔で返事した。 そして耳元でヒソヒソ囁く。 「新…めちゃくちゃえっちなことして♡」 この後どうなったかは…教えてあげない。 でも実感した、ヒトリで遊ぶより2人一緒の方が、めちゃくちゃキモチイイ…♡            HAPPY END♡
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