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通話の声くらいじゃ隣の部屋の両親には聞こえないだろうがその話は無し!親の前では天才肌のイイコチャンしてるんだからもしもバレたら人生詰む!
バクバクうるさい心臓を鎮めようと、体を小さく丸めて受話器に手を当て、小声で話す。
「もういいかサイトー。お喋りなら昼間にしようぜ。それとも大事な話があるのか?」
「ああ、忘れるとこだった…マジ大切な話しようと電話したんだった。」
「っ…な、なんだよ。」
身に覚えがありすぎて怖ぇ。でも聞かないわけにはいかないよな…冷や汗がツツ、と顎を伝った。受話器越しにサイトーがバリボリぽてちを食べてる音がする。
「真っ当に女遊びするって約束したよな?もう二週間経ったんだし彼女は何人出来た?あー『彼女以外』でもいいけどメッチャ可愛い娘いたらぜひ俺にも紹介ーーー」
プッ(電話を切る)
急に疲れてシワの寄った目元を摘まむ。
は~~~ビビった…あれで心配してんのか茶化してんのか?まあ、前の学校では性的に暴れすぎて大変だったからなぁ。百人切り以上ヤッたしなぁ。なんか冷めちゃうんだよ。ある程度開発したら興奮が冷めて別の男に手を出しちゃう。それで相手の彼女にブチ切られて修羅場学級裁判…思い出すだけで心がっ…
高校早々、クラスが険悪になったところで父親の転勤に付き添わなければ僕は変わろうとしなかっただろう。修羅場はもう懲り懲りさ、男子の前立腺を開拓せず健全に女子と突き合おう、うんうん。
「よぉし…ヤルか。」
気合いの入った眼差しに、袖まくりして腕をぐるぐる回す。
新たな生活で新たな目標を胸に渋々部屋の片付けを始め…懐かしいゲームが見つかり…休憩しようと座ったら…結局徹夜で学校に行くことになったとさ。
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