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僕の思い描いていたのんびり隠居生活…それは想像以上に駆け足で現役生活へと戻って来た。しかしそれは僕の『専門』ではなく…
『もしフリーならさ、ウチと付き合わない?』
ある日突然個人ラ○ンで告白された。
それは女子グループ肉食担当のスズキサンでも取り巻きのサトウさんでもなく、元気担当っぽい高橋さんだった。
ふむ…口元に指を当てて熟考する。
想定外からの告白に頭が追いついていない。
高橋さん…高橋四葉さんは確か陸上部…短距離走をしてるんだっけかな?
細く白い首筋が見えるくらい黒髪を短くしているがフワフワでよく手入れがされている。
スタイルもいいし声も明るくて顔も可愛い。
しかし…どうしても「妹」ポジションから抜け出せない幼さがある。身長も150ないし。
そんな子がまさか、引っ越しから3ヶ月経とうとしたところでいの一番に告白してくるなんて全くもって予想外だった。だが、文句はない。せっかく声をかけてくれたんだからちゃんと返事しないとな。
『いいよ!よろしくね!』
こんな感じかな…送信。1人寝が寂しい頃ではあるが、依然として実感が湧かない。高橋さんと寝るビジョンが見えないが今は、一歩前に進んだことに満足しよう。
すっかり自分の部屋らしくなった部屋を見渡し、スマホの画面を切る。これからどんな波乱が待ち受けてるかも知らず…蒼雨は落ちる眠りに逆らわず、ベッドに潜り込むとゆっくりまぶたを閉じた。
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