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11.天罰
あれから数ヶ月が経過した。
未だゲームのクリア者は現れず、彩との幸せな日々を送っていた。
「かごめちゃん、お風呂湧いたから一緒に入ろ!」
「ふふ、いいよ」
あの事があってからの彩は相変わらず甘えん坊だ。
一人じゃなにもできない、私がいないと何にもできない。
それは私がいつも夢に描いていた理想の関係だ。
だが、幸せというものはある日突然崩れ落ちる。
私が生活費を稼ぐ為にダンジョンに潜っている時に、突然破壊不能オブジェクトであるダンジョンが崩壊したのだ。
入口は塞がれ、私はあっさりと瓦礫の下敷きになった。
「彩が待ってるから…帰らないと…」
身体を再生しようとするが、彩にバレるのを恐れて吸血してなかったのが仇となったのか血が足りず上手くいかない。
私が彩を独り占めしようとしたから天罰が下ったのかな…。
彩を忘れたくない。
HPが減少して行くのが分かるが身体が動かない。
「彩……」
彩は、私がいなくても生きていけるかな…?
私は死ぬ間際にやっと自分の感情が愛から歪なものになっていた事に気付いた。
愛し方を間違えていた。
「彩のこと、絶対忘れないから…だから」
最後まで、勝手な私でごめんね。
次会ったら…ちゃんと全部話して、謝るから。
消え行く意識の中、私は彩の事を最後まで想い続けていた。
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