7.焼けるような痛みと共に

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7.焼けるような痛みと共に

部屋に置いてある鏡を見てみると八重歯は牙のように少し尖り、目は真紅に染まっていた。 「そうか…私は本当に吸血鬼になってしまったのか…」  それは良いんだ。我ながら似合ってると思うし。  だがな… 「日光に弱いから外に出れないってどういうこと!?」  確かに物語に出てくる吸血鬼は日光に弱いという弱点を持っていた。  しかしまさかMMORPGで日中外に出ることができないなんて事にはならないと思ってたからこれは由々しき事態だ。 「彩ちゃんと教会前で会おうって約束してるのに…どうしよう…」  彩ちゃんはか弱い子だから、きっとサポートAIから現状を知らされえ悲しんでるはず。私が慰めてあげないと… 「そうだ。とりあえず外に出てみよう。」  サポートAIも死にはしないって言ってたし大丈夫でしょ。  軽い気持ちで扉を開き、外に出てみると… 「なに、これ…身体が焼けるように熱い。死ぬ。これは死んじゃうやつだよ…」  HPゲージを確認しても一切減っていなかったのでダメージは無いが激痛が身体を襲うみたいな感じなのだろう。  普通の人ならこんな激痛耐えられないだろう。普・通・の・人ならね。 「こんなもの…私が彩を思う気持ちに比べれば…生温い…!」  実際かなり熱いのだが、かごめは本当に愛の力で耐えていた。 「やっと…ついた…のに…頭が…」  そこでまたも私の意識は途絶えた。  そう。かごめは失念していたのだ。  吸血鬼の弱点の一つには十字架が存在していることを。
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