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8.嫉妬
「かごめちゃん!かごめちゃん!!」
大好きな人の声が聞こえる。
辺りはすっかり薄暗くなっていて、熱さはもう感じない。
寧ろ滾ってくるようなのは吸血鬼の特性なのかもしれない。
あれからどうなったんだっけ。
確か、彩を探しに教会まで行って…
「良かったぁ!目を覚ましてくれて。心配したよー」
私も彩に悪い虫が付かないか心配だっ…たよ、?
その時、彩の隣に知らない男が居る事に気が付いた。
「えっと…その人、誰かな?」
「同じクラスの和人君だよ!同じクラスなのに覚えてないのー?」
「いやいや彩ちゃん。学校で神童さんとは話したことないし、何より神童さんはあんまり他人に関心が無さそうだから覚えられてなくても仕方ないよ」
彩…ちゃん? 何を言ってるの?
なんでそんな女の子の顔をしてその男の事を見てるの?
きっと勘違いだよね…?
カラカラになった喉を唾で潤し、関係性を問う。
「ど、どうして2人は一緒にいるの?」
すると彩はモジモジしながら
「和人君は…私が暴漢に襲われてる所を助けてくれた私の王子様なの!」
…は?
思考が上手く纏まらない。
どういう事だろう。
彩の隣に居て良いのは私だけなはずなのに…
「王子様だなんて大袈裟だな。彩ちゃんにそう言われて悪い気はしないけど」
聞きたくない…聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない!
「それにしても、彩ちゃんに何も無くて良かったよ」
「和人くんが守ってくれたからね!今でも…ちょっと怖いけど」
彩の手が和人の手に触れる。
やめて…私の…私だけの彩に触らないで
その瞬間、私の中の何かが弾けた。
そうだ。簡単なことじゃないか。
邪魔をする奴はみんな
ーー殺しちゃえば良いんだ。
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