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プロローグ 〜金曜日、深夜のオフィスにて〜
「……ねえ、もっと俺ので、乱れて?もっと、感じてる声を聴かせて?俺ので、気持ちよくなって?」
金曜日、人気の無い深夜のオフィスに響く、チュプチュプと水気を含んだ音と、荒い息遣い。
蕩けるような微笑みを浮かべながらも、どこかギラギラとした熱情を含んだ表情で私を机に組み敷くのは隣の席の6歳年下の、田中君。
社内で『太陽の王子様』なんて絵本に出てきそうな通り名を持つ、明るく元気なムードメーカーのいつもの彼はどこへやら。
初めて見る豹変したその表情に私は今、快楽の渦に飲み込まれそうになりながらも激しく混乱していた。
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
ついさっきまで一緒に、世間話をしながらいつも通り残業していたはずなのに。
……私は今日残業終わりに、玉砕覚悟で田中君に、「好きです」って、告白するつもりだったのに。
なのに、なんでその本人に、今、強引に体を暴かれてしまっているのだろう???
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