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「あの、こんな事聞くのは失礼かもしれないんですけど……。小西さんは課長と個人的なやり取りとかされてるんですか?」
「ううん、アプリで体調管理の周知メッセージが届くくらいかな?こっちからまともにメッセージ送信したのも今日が始めてくらいだし」
課長からのメッセージの返事には毎回「承知しました」のスタンプを押している程度。個人的なやり取りとまでは言えないだろう。けれど……それがどうかしたのだろうか。
「課長って、割と秘密主義なんですよ」
いよいよ困惑した様子の田島さんは、躊躇いがちに視線を彷徨わせ口を開く。
「だから……個人の携帯番号なんかを課内で知っててやりとりしてる人って、多分いないはずなんですよ」
「え……でも、だったら……」
『万が一に備えて課員とID交換してるんだ』
あの台詞は一体なんだったのだろう。
あの、連日届くメッセージはなんなのだろう。
――嘘までついて、連絡をしてくるその意味は一体なんだと言うのだろう。
突然の話に頭の整理が全くつかず真っ白になる。けれど、なにか得体の知れない悪寒の様なものが急激に体を駆けのぼってくる。
追い打ちをかけるように田島さんの声が耳に響く。
「あの、小西さん……大丈夫なんですか?」
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