メッセージアプリは波乱の予感

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……だけど。 「あのっ、大丈夫ですからっ!」 反射的に手を払いのけて後退ると、私の行動に驚いたのか戸田課長は目を丸くする。 「そう?なら、いいけど……」 ……しまった。 咄嗟のこととは言え、失礼な態度を取ってしまった。 じわじわ滲み出る罪悪感に、背筋がひんやり寒くなる。 何かうまい言い訳をしなければ。 けれど今の衝動を、なんと説明してよいのだろう。 考えがまとまらないままでいると、異変に気付いた田島さんが後方から駆け寄ってくる。 「大丈夫って仰ってますけど小西さんは、ちょっと気分が悪くなったのかもしれませんよ。私もラッシュに揉まれすぎてすっかりくたびれちゃいましたし」 「はあ?お前は始発から乗ってくるから席確保は楽勝だ!とかいつも言ってるだろ。何がくたびれただ」 「席に座っていても、必要以上に狭い空間に閉じ込められているのはきついものがありますよ」 「全く。じゃあ二人共少し休んでからでいいから。体調回復したら、業務よろしく頼むぞ」 やれやれと半ば呆れたように肩をすくめると、戸田課長はそのまま背中を向けエレベーターホールへと消えていった。
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