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今日は、母ちゃんが午前勤務だったから、家にいる日。
学童から帰ってきたぼくは、リビングのソファにランドセルを置いて、学校で配られたお便りを引っ張りだした。
「はい! 母ちゃん! 『夏休みの注意』と、『宿題』と……なんか、お知らせ」
「ありがとう」
母ちゃんは、お便りを受け取るとダイニングテーブルについてプリントを見てた。
「お知らせ、なあに?」
先生がなんか言ってたけど、イマイチよく解らなかった。母ちゃんは「お知らせ」に目を通しながら話した。
「う……ん。小学校の近くに神社があるでしょ? あそこで夏休みの間『一時預かり』をするんですって」
「神社も学童保育になるの?」
「みたいね。普段は学童に入ってない子も他の学童の子も参加できるって書いてあるわ。あそこ、社務所はあったけど……神主さんは確か他の神社と兼務だったような……」
「うん。いつもは神主さんち、閉まってるよ」
結構、境内が広くて裏山にも繋がっているので、友達と遊びに行くことがある。大きな木がたくさん生えてて、虫取りするにはいいポイントなんだ。カブトもクワガタもいる。
母ちゃんは不思議そうな顔をしてお知らせを裏表に返して首を傾げた。
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